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加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
14,946
ねむ
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路郎から「莉來がオーナー室にいる」と聞いた志土は、オーナー室へと向かった。
美虹「羽渡君?」
莉來「どうしてアンタが…!?路郎さんは!?」
志土「別の用事だ」
志土はそう言ってオーナー室にある机を調べて、救急箱のような物を見つけた。それを持って莉來に近づく。
莉來「アンタ、応急処置出来るの?」
志土「誰か知ってっか?」
快晴「僕知ってます」
志土「教えてくれ」
快晴「はい」
志土は快晴に教えて貰いながら、莉來の捻挫した足首を応急処置する。
志土「助かった毒キノコ野郎」
快晴「毒キノコ…」
お礼を言っているが呼び方が失礼極まりないと思った快晴だが、シラケた目で志土を見るだけで特に何も気にしなかった。
風太「ホンマww毒キノコ頭やんなお前!ww」
志土の話を聞いていた風太が、ケラケラと笑いながら快晴を指さして笑っていた。快晴は呆れた顔をして、ただただ腹を抱えて笑う風太に目を向けていた。
莉來「それより大変よ!この旅館!呪いが本当にあったの!」
風太「さっき御札の部屋に入った時見たで!音奈ちゃんの手首黒なっとったよな?」
快晴「お隣の別館行って、オーナーさんのお父さんの部屋行ってん」
風太「なんで?」
快晴「その部屋の電気がえらい点滅しょったからなー」
風太「うわッ怖ッ!!エグいエグい!!」
幽霊や呪いの類いが苦手な風太は顔を真っ青にして白目を剥き、ゴツイ体躯の体をビクリとさせて、両腕を摩って恐怖に震えていた。
快晴「点滅気になって部屋行ったら、音奈ちゃんの手首に黒い手形がついてん。路郎さんが慌てて皆部屋から出して、音奈ちゃん担いで行ったんやけど…。慌てとった莉來が足グネッてん」
快晴が風太に説明しているので関西弁で話していた。莉來を指さして言うと、莉來は「フン」と鼻を鳴らしてそっぽを向いていた。
志土「おい莉來!明日になったら帰っからな!」
莉來「はァ!?アンタはもう元彼だから一人で帰りなさいよ!私は路郎さんとここに住むの!!」
志土「馬鹿か!こんな危険な場所にお前置いて帰れっかよ!」
莉來「だから路郎さんとこの旅館で暮らすって言ってるでしょ!!アンタだけ帰りなさいよ!!」
志土「この旅館は『女客が…』((莉來「行方不明になってるんでしょ!?わかってるわよ!!」…だったら早く帰るぞ!テメェが行方不明になる前に帰らねェと…!」
莉來「だから一人で帰れっつってんでしょ!!私はもう路郎さんと付き合ってるの!!元彼のアンタは引っ込んでてよ!!」
志土「確かに俺ァフラれたけどな!テメェをここから無事に連れて帰ってから別れてやるつもりだ!それまで恋人解消しねェぞ!」
莉來「意味わかんない!!勝手に決めないでよ!!」
志土「勝手なことばっかしてるテメェに言われたかねェよ!!なんでもかんでも自分の都合良いように合わせやがって!!」
莉來「それはアンタもでしょ!!」
美虹「はぁいそこまで♡喧嘩する暇があるなら、コレからどうするか一緒に考えましょうね」
美虹が美しい笑みを浮かべたまま、両手をパンパンと叩いて、優しいお姉さんの風貌で落ち着いてそう言った。
莉來と志土は取り敢えず口を噤み、莉來は気に入らないような顔をして志土からプイっとそっぽを向き、そんな莉來を見て志土は舌打ちした。
快晴「(あ、せや。オーナーさんが雇ったっていうお祓い屋さんに連絡しょー)」
快晴はオーナー室から出て、自分のスマホを弄り、路郎が祓い屋で雇ったと言う、『ハラマタ』に連絡した。
ハラマタ『もしもし?こちら祓い屋のハラマタです』
快晴「あ、すみません。ハラマタさんに聞きたいことがあるんですが…」
ハラマタ『はい?』
快晴「あの、ナゴミヤ旅館の呪いについてなんですが…」
ハラマタ『ああ、アレね。もしかして、また何かありましたか?』
快晴「えっと、女の子の左手首に、黒い手形と、ナゴミヤ旅館の隣にある別館の二階の…自殺した前オーナーさんの部屋で、灯りが点滅してまして」
ハラマタ『はい。以前もナゴミヤ旅館の現オーナーの和水路郎様から「呪いを祓う」依頼を受けたのですが…』
快晴「受けたのですが?」
ハラマタ『呪いは全くありませんでした』
快晴「……え?」
ハラマタ『これは、ハラマタ屋だけではありません。オノノメ屋、イココイ屋も同じように言っておりました』
快晴「それじゃぁ…、僕らが見た呪いは…」
ハラマタ『恐らく、生きている人間が呪いのように行動して見せていると思われます』
快晴「生きてる人間…?一体誰が?」
ハラマタ『それは私共では、わかりかねます…』
快晴「……そうですか。ありがとう御座いました」
ハラマタ『いえ。他にご要件は?』
快晴「あ、大丈夫です」
ハラマタ『はい!またご連絡をお待ちしております!』
ハラマタ屋が意気揚々とそう言うと、快晴は軽く頭を下げて電話を切った。
快晴「(呪いちゃうんやったら、この事は黙っといても問題なさそうやな。問題は、音奈ちゃんの手首についた黒い手形…。アレが何か調べなアカンな)」
顎に指を立てて、快晴は思考を巡らせていた。