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翌日の午後。Fortress にあの高校生5人が入って来る。
玲奈「あら、いらっしゃい」
高校生A「今日はみなさんにお願いがあって来ました」
倫「ん? あたしら全員にって事かい?」
高校生B「このお店って市役所の直営ですよね。だったらみなさん、チバラキVって名前のご当地戦隊の担当の市役所の方、知りませんか?」
玲奈、一瞬ギクッとする。
玲奈「あ、ええ、まあ、会ったことはあるけど」
高校生A「でしたら、これを届けていただけませんか?」
高校生Aがケースに入ったCDを差し出す。
玲奈「これは何?」
高校生B「僕たちで作った、チバラキVのBGMです。良かったら今聞いてみていただけませんか?」
沙羅「倫さん、どうする? あたし興味あるけどな」
倫「ま、相変わらず客はいないし。いいよ」
高校生AがカバンからポータブルCDプレイヤーを取り出し、CDをセット。音が鳴り始める。
智花「へえ、いかにも戦隊って感じの曲ね。君たちが作曲したの?」
高校生B「いえ、作曲ってほどじゃ。戦隊のイメージに合いそうなフレーズの繰り返しを3パターン録音してみただけで」
玲奈「瑠美さんはどう思います? 元本職の耳にはどう聞こえます」
瑠美「ま、アマチュアにしちゃ悪くはないだろうさ」
高校生A「そこで瑠美さん、改めてお願いします。軽音部のコーチお願いできませんか? 僕たち、本気なんです。それを分かってもらおうと思って、この音源作りました」
瑠美「音楽の世界は、て言うより世間の現実は甘くねえんだよ。当たって砕けろが通用すると思ってんのか?」
高校生B「そん時は砕けますよ、潔く!」
高校生A「やらずに後悔するより、やって後悔する方を選びたいんです!」
瑠美の脳裏に、かつて自分がプロデューサーに食い下がったシーンが浮かぶ。
回想シーンの中の瑠美
「やらずに後悔するより、やって後悔したいんすよ!」
高校生A「もちろん必死で練習します! 毎日でもご指導いただけたら」
瑠美「ダメだ」
玲奈、悲しそうな顔で
「瑠美さん……」
瑠美「毎日はダメだ」
玲奈「え?」
瑠美「この店の定休日が月曜。あたしのシフトは水曜がもう一日の休み。教えてやれんのは、この週に二日だけだ。それでもいいか?」
高校生たち顔を見合わせ、深々と頭を下げて声をそろえて大声で言う。
「はい! よろしくお願いします!」
場面転換。
瑠美のアパートの自室。
瑠美がベッドの下からギターケースを引っ張り出し、蓋を開けエレキギターを取り出す。
瑠美「未練がましく捨てられずにいた、こいつを使う日がまた来るなんてな」
瑠美は床に胡坐をかいて座り、ギターを構え、弦の張りを調整する。
瑠美「教える方の腕がなまってちゃ、かっこうつかねえからな」
ギターを奏でる瑠美の姿。