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『偽りの無能、真の覚醒〜転生皇女はすべてを奪い返す〜』
ズガガガガガガガガガガガァァァァァンッ!!!!!
私たちの魂の共鳴(ソウル・リンク)によって放たれた究極の三位一体の奔流が、魔女の悪夢の胃袋を内側から完全に爆破した。
視界を埋め尽くしていたおぞましい紫色の肉壁と無数の紅い瞳が、ガラス細工のようにパリンパリンと小気味良い音を立てて粉々に砕け散っていく。
激しい光の残滓(ざんし)が収まったとき、私たちの足元には、見慣れた冷たい石造りの床――最北の古城の『玉座の間』が再び広がっていた。
「が、はっ……!? ば、バカな……っ! 私が何百年もの歳月をかけて構築した深淵の異空間が……、ただの人族の小娘どもの精神力ごときに叩き割られるなんて……っ!」
玉座の前に不様にへたり込み、激しく黒い血を吐きながら絶叫しているのは、深淵の魔女だ。
異空間を完全に破壊されたことで、彼女自身も凄まじいフィードバックのダメージを受け、その妖艶だった顔を怪異なほど激しく歪ませてこちらを睨みつけている。
「ハァ……ハァ……。ローゼマリー、無事かい? 本当に、君という存在は、どこまで僕の想像を超えて美しくなっていくんだ……」
私の隣で、アルベルトお兄様が荒い息を吐きながらも、すぐに私の肩を抱き寄せてくれた。お兄様の銀髪には先ほどの死闘の激しさが物語るように薄い煤がついていたけれど、その切れ長の瞳には、私への底知れない愛おしさと、魔女への冷酷な殺意がギラギラと再燃している。
「ローゼマリー様、お召し物が汚れてしまい申し訳ありませんわ。……ですが、お掃除の『本番』はここからのようですわね」
リンもメイド服の裾をパッと払い、光と薔薇の魔力を帯びたナイフを構え直す。
3人全員、先ほどのバグによって吸い取られていた魔力は完全に全回復していた。
「ええ。お兄様、リン。ここまで私を信じて支えてくれて、本当にありがとう。……でも、もう大丈夫よ」
私は二人の手をそっと離し、一歩、また一歩と、へたり込む魔女へと歩み進めた。
風に美しくなびく、私の紫色の髪。
私の胸の奥で、カチリ、と『本当の最後の鍵』が外れる音が聞こえた。
◇
「魔女よ。あなたは私が、ただ前世の記憶と聖女の魂だけでここまで上り詰めたと思っているのかしら?」
「何……? 何を言っているのよ……っ!」
魔女が恐怖に顔を引きつらせながら後退(あとずさ)る。
「前世のバロア王国で、無能と罵られ、すべてを裏切られたあの日から……私は誓ったの。二度と理不尽な力に屈しない、誰もが跪(ひざまず)く圧倒的な『絶対強者』になってみせる、とね」
私は立ち止まり、両手をそっと広げた。
「ガルディニア帝国に生まれ変わり、お兄様やリンと出会って、この温かい居場所を手に入れてからも……私は一日たりとも怠(おこた)ったことはないわ。お茶会の裏で、皆が眠りにつく夜の底で……私は自身の魔力の回路を限界まで引き裂き、さらに巨大な魔力を蓄えるための『血の滲むような特訓』を、ずっと、ずっと重ねてきたのよ」
そう、私のチートじみた強さは、ただの転生特典ではない。
誰にも見せない影の努力によって、私の体内の魔力総量は、すでにこの世界の限界数値を遥かにぶち抜いて蓄積され続けていたのだ。
「これまでは、世界が壊れてしまうからセーブしていたけれど……。世界の外側の存在であるあなた相手なら、もう手加減をする必要なんてどこにもないわね」
私が冷酷に微笑み、瞳をカッと見開いた、その瞬間だった。
――『全・魔・力・開・放(リミット・ブレイク)』。
ねむ
74
#転生
コシ
103
耀聖(ようせい)
1,401
287
ドゴォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!
私の身体を中心に、これまでの戦いとは次元が違いすぎる、まさに『魔力の超新星爆発』のような黄金と紫の光柱が、天を衝くほどに爆発的に立ち昇った。
凄まじい衝撃波が古城の天井を木っ端微塵に消し飛ばし、最北の空を満たしていた暗雲が一瞬で完全に吹き飛んでいく。
その凄まじい魔力圧の風圧だけで、玉座の間にあった頑丈な黒鉄の柱や壁が、メリメリと音を立てて粉砕されていく。
「な……ななな、何なのよこの質量はァァァァッ! 世界の理そのものが、この娘一人の魔力だけで圧壊していくというの……っ!?」
深淵の魔女は、あまりの重圧に床へと完全に這いつくばり、呼吸をすることすらできずに泡を吹いて絶叫した。
隣にいるアルベルトお兄様やリンですら、私の放つ異次元の魔力の光に、驚愕のあまり言葉を失って目を丸くしている。
私の背後に顕現したのは、世界を包み込むほどに巨大な、神々しき『紫電と黄金の十六枚の薔薇の翼』。
特訓によって極限まで増大させていた私の本当の全魔力は、今や魔王も魔女も、この世界の神すらも一撃で捩じ伏せる、絶対無双の領域へと完全到達したのだ。
「さあ、深淵の魔女。私の全てを懸けたこの本物の力の前に……木っ端微塵に砕け散りなさい!」
私の右手には、世界の概念そのものを一から作り変えかねない、超々特大の極光魔法陣が幾重にも展開される。
限界を超えて覚醒した最強皇女の、
本当の『一撃必殺』の処刑の時間が、今ここに幕を上げたのだった。
コメント
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第32話、お疲れ様です! もうもうもう、すごかった…!(涙) ローゼマリーの「本当は誰よりも努力してきた」って告白、胸に刺さりました…。無能と罵られた過去があるからこそ、夜中も血の滲む特訓を重ねてたんだね。 十六枚の薔薇の翼、絶対美しい光景だろうな。 魔女が這いつくばって泡吹いてる描写、笑っちゃったけどそれだけ桁違いってことだよね。 3人の絆も、最後はローゼマリーが一歩前に出る覚悟も、全部尊い…🌙💜