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◆夜のマンション前・目黒視点
仕事終わり深夜に帰宅するとマンションの前に佐久間が立っている。
普通なら驚くはずなのに、冷静な自分がいた。
「佐久間くん……こんな時間まで待ってたの?」
「蓮の顔が見たくて」
会いたくないはずなのに。
拒む理由は山ほどあるのに。
なのに足は勝手に近づいて、
佐久間に駆け寄ってしまう。
佐久間が目黒の頬に触れる。
逃げられない。
でも逃げたくもない。
矛盾してる。
そのことに気づいた瞬間、心が軋《きし》んだ。
「蓮。もう、離れられないでしょ?」
囁くような声。
優しいのに、逃がさないと言っているような…
目黒は、ゆっくり目を伏せた。
「……離れられない。
佐久間くんのこと、考えたくないのに…… 気づくと……探してる」
堕ちてる。
自分でもわかるほど。
佐久間の手が、目黒の後頭部をそっと抱えた。
「それでいいよ。 蓮は俺に堕ちてればいい」
その言葉が、甘い毒みたいに胸へ沈む。
気づけば、目黒の唇が佐久間の唇を求めていた。
抗えない。
もう、とっくに。