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次の日の目覚めはあまり良くなかった。
コピーも全然思いつかないし、一弥先輩のことも考えちゃうし…
それに…
もしも本当に、本宮さんが来たらどうしようって思って、すごく汚れてるわけじゃないけど、隅々まで念入りに掃除してしまった…
きっと本気じゃないだろうけど、万が一って思ったら…
恥ずかしいことしてるよね、私。
このマンションは、割と最近出来たから外装も綺麗。
オートロックで部屋は2階。
間取りはリビングとキッチン、洋室が2部屋。
1部屋は、両親や友達が泊まりに来た時のための客室にしてたからちょうど空いてる…
私は、リビングに座ってメイクを始めた。
いつもここでする。
厚くはないけど、メイクはしないと外には出たくない。
スッピンとか有り得ないし。
基礎化粧品は、添加物を含まない美容液、化粧水やオールインワンを使ってる…
23歳を超えたくらいから肌には気を使いだした。
せめて、肌だけは…って。
ずっと自分の容姿に自信が無かった…
今もそう…
私は美人ではないし、だからと言って可愛いわけでもない。
普通の普通…
自分ではそう思う。
もしかしたら普通より下?なのかも知れないけど、それは…
出来るだけ思わないようにしてきた。
会社に入るまでは2人の男性とお付き合いしたけど、2人とも向こうから告白された。
だから…
めちゃくちゃブスっていうわけじゃないかなって。
まあ、相手も普通の人だったけど。
だから、私が一弥先輩みたいな超イケメンを好きになるなんて、本当に身の程知らずなんだ。
でも…先輩の笑顔が本当に好きだから…
私はメイクをしてから、背中まで伸びた髪をアップにした。
毎日、同じ。
ゆるくパーマがかかってるからとても簡単なの。
20分くらいで支度を全部済ませ、さっと朝ごはんを食べた。
毎日、食パンとヨーグルト。
手抜きだ…
朝はできるだけギリギリまで寝ていたい。
準備が出来たら、私は急いで駅に向かう。
マンションから駅までは結構近い。
電車の混雑は仕方ないから…
30分くらいの我慢…かな。
降りたら、会社までも5分くらいで着く。
近いからとても助かる。
会社から少し離れたところまで来た時、入口の大きな自動ドアのところにいる社長と本宮さんを見つけた。
2人の周りには、数人の役員みたいな人達がいる。
嘘…
本宮さん、今日はスーツだ…
思わず体が固まる。
高級感溢れる細身のネイビーのスーツ。
恐ろしい程、カッコイイ…
ドア付近を行き交う女子達も、立ち止まって本宮さんを見てる。
イケメンにスーツって…
破壊力がすごい。
素敵過ぎる。
一弥先輩も、たまのスーツ姿、すごくカッコイイけど…
本宮さんは、なんて言うか…
史上最強!
って感じがする。
怖いくらいだ。
立ち姿がモデルみたいなこんな美しい人が、まさか今日からうちに泊まりに来るの?
ううん、絶対、有り得ないよ。