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『もっとって言いたくなる…たまらん』『その首輪引っ張りたい』

『はぁ…ソラくんのMなとこ、ゾクゾクする』

『秒で勃ってきた』

『ソラくん可愛すぎて一家に一台ほしいぐらい』

『首輪つけてるソラくんマジで可愛いしエロい』


そうした反応を見ているうちに


だんだん身体が火照ってくるのを感じ、自分の自撮りとリプ見ながら抜こうかな、と考えたそのとき


スマホから着信が鳴った


玲於からだった。


「…もしもし?」


『ソラくん、ちょっと時間早いけど今から会える?』


「え、今から…?」


いつもなら9時にホテルなのに


っていうか、今日は断ったのに。


なんだろと思いつつも玲於の言葉を待っていると


『今さ、玲於くん家の前いるから出てきてくんない?』


「え??……はぁ!?」


俺は焦って窓を開けて下を覗くと本当に玲於が立っていた。


(いやいや、なんでいるの…っ?!)


慌てて玄関に向かい、適当に靴を履いて外に出る。


「……なんで家まで来てるの、俺今日いいって言ったじゃん」


「霄くんがなんか拗ねてそうだったから?」


「……」


無言で睨む俺に玲於は苦笑してから言った。


「とりまスタバで話そ?」



─────…


「何頼む?」


「カフェモカ」


「ん」


レジで注文し、数分してお互い飲み物を受け取るとカウンターに横並びに座る。


「俺別に拗ねてないし、予定あるって言ったじゃん」


と言うと


「予定ある人があんな#オカズにどうぞ なんて自撮りするんだ?」


「……あっ…」


しまったという顔をする俺を見て玲於は呆れたように笑った。


「まぁいいんだけどさ、嘘つかないでよ」


玲於は優しい顔で俺を見る。


その表情を見て少しドキッとしてしまう。


それでも『嘘つかないでよ』


なんて、特大ブーメランすぎる。


「う、嘘って…それで言ったら玲於だって昨日俺に嘘ついたくせに…っ!」


そう言うと玲於は一瞬驚いた顔をしてから俺の方に顔を向けた。


「……昨日?なんか嘘ついたっけ?」


「……っ!昨日ツインテールの女の子と渋谷でカラオケ行ったりしてたのに渋谷行ってないって言ったじゃん…っ」


「ふふっ…それカノンって子ね。そりゃ、霄くんが俺のこと尾行してるもんだからちょっとからかって嘘ついてみただけだよ」


「えっ、は……?び、尾行って…」


玲於の発言に驚く俺に玲於はクスッと笑いながら答えた。


「気づいてるか知らないけど霄くんの尾行下手すぎてバレバレだったから」


「なっ!え……っ!?」


「あはっ……かわいー」


俺が玲於に尾行してるのバレてたなんて恥ずかしすぎて顔から火が出そうだった。


しかも玲於に可愛いって言われて余計恥ずかしくなってくる。


(くそ、玲於のバカ……!)


俯く俺の頭を撫でてくる玲於の手を軽く叩くと

玲於は俺の右手を掴み


「それでココ、こんなに切っちゃったの?」


なんとも嬉しそうに聞いてくる。


咄嗟に右腕を引っ込めて、袖を捲られないようにする。


「き、昨日のツイート、見たんでしょ…」


「うん、朝には消えてたけどね」


「ツイ消し常習犯だし…あんな醜いのすぐ消すよ」


静かにそう返すと


「なんで切ったの?」


なんて、玲於はけろっとして表情で聞いてくる。


(誰のせいで切ったと思ってんだよ…)


そう思いながら玲於の顔を見ると


玲於は優しい顔でこちらを見ていた。


その顔を見ると全てを見透かされているようで


本音を言う方が楽だった。


「……昨日、ドタキャンしたじゃん」


「まさかそれで?」


「違う…!その、カノンって子とカラオケで話してたじゃん…「夜は猫愛でるので忙しいしお前に構ってる暇ないの」って」


「え、そんなことまで聞いてたの?壁張り付いて?」


「…っ、そ、それはいいんだよ」


「ぷっ…完全に不審者じゃん霄くん」


「黙れ」


俺は目の前のカフェオレを一口飲んで一息つくと、チラチラと玲於の目を見ながら言った。


「その夜、俺と会う約束だったし…玲於がいっつも俺のこと猫みたいって言うから俺のことかと思ったのに…」


「急用で会えないなんて言われたら、俺より優先度の高い他の子のとこ会いに行くんだって思うじゃん……っ」


精一杯の足掻きだった。


目尻が赤くなるのを感じつつ、玲於に当たるようにそう言うと


「……霄くんかわいすぎ。心配しなくても昨日は仕事でちょっとトラブルがあっただけだよ。そんなに俺に慰めて欲しかったの?」


玲於は優しく微笑んで俺を撫でてきた。


「だったらそう言ってくれれば…っ…べ、別にそんなんじゃないし」


俺は玲於に頭を撫でられながら拗ねたように言う。


玲於は俺の頭から手を離すと


俺の右腕をそっと掴んで袖を捲る。


俺が抵抗する間もなく袖を捲られた腕には傷跡がまだ生々しく残っていた。


「…たくさん切ったね」


俺は慌てて腕を引っ込めた。


「み、見るなよ……っ!」


「俺のことで病んでくれるなんて……霄くんのそーいうとこ好きだけどな」


俺の目を見て真剣な顔で言う玲於に


「……っ」


つい、言葉を失う。


本気で言ってると、勘違いしそうになる。


玲於の目はとても綺麗で吸い込まれそうだった。


でも、今の俺は玲於の目をまっすぐ見ることは出来なかった。

キミだけのラブドールなんてウソ

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