高校一年の春。
出席番号の席順だと、隣の席だった。
ペアワークで机を合わせる方の隣、じゃない方だけど、十分に奇跡だったと思う。
どうしてもっと話しかけなかったのか、どうにでもなれ!とやっと話しかけたのは三学期だった。
一軍女子によって作られたLINEグループで、貴方のアカウントを探したよ。
ローマ字で書かれた苗字(田中なら、tana)に、壊れたメガネのアイコン。
おもしろい人なのかな、喋ってみたいな。と思ったのが最初だった。
スラリと伸びた身体は細くて、清水尋也を思わせるようだった。
眉毛くらいまで伸ばされた前髪が好きだった。
君が付けている眼鏡は、青か黒のフレームだろうと思っていたけれど、実は茶色なところも好きだった。
第一印象は、ライチ光クラブのゼラに似ている。という最悪だった。
友達とは、ハコティッシュ・ヒデアキに似ているという話で盛り上がってたよ、実はね。
仲良くなんかなれなくて、二学期までは全く話していないくらいに、接点がなかった。
隣の席だというのに私は、どうにか他の機会が欲しかったんだと思う。いまでは後悔しています。
終業式。 君の席に間違えて座ってしまって、「ごめんね」「全然大丈夫」
それだけだったけど、最後に君と話せてよかった。冷たそうに見えて意外と笑って話してくれたり、敬語を使わなかったり、そういうフレンドリーなところも好きだったよ。
私が見つめてしまうので、沢山目が合ったと思う。ごめんね。
華やかではなかったけど、小さくて素敵な恋でした。ありがとう。
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