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通電祭

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通電祭

1 - 檻を絶つ

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2024年06月03日

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きみを叩くと膜が裂けて柔らかく破れていった。痛いようって泣いていた。殺す気なんてないんです。悪意なんてありません。 犯人の常套句を呟いて混ぜる。交ぜる。怒りみたいに溶けて、蕩けて、ちょびっと爪を汚した。

空が丸いの許さない。シークレットなんかないんだし、逃げも隠れもしようがなくて、誰かの冗談が必要だった。降り立つ姿に恋をして、煙る妬みを抱えてしまった。

静かで湿った葉の陰で輝きを失えば、いつか骨になれたかな? わたしはへいき(ん)、星の鱗も花の夢もついているので。雨に喜ぶ惨めさを、透けた棘に凹んじゃう脆さを、知らない子の清さが憎くって、包んで潰して消しちゃいたい。

情けの粒を噛む。リボンの紐を裁つ。ぱちんと夢を綴じた。怪物の生け贄にされちゃえば満たされるかしら。角砂糖みたいに優しく崩れてくれるなら、あなたのこと盗むと決めたの。

ぷつんと脈がちぎれ、果汁の溢れるがごとく凄まじい勢いで流れ出す。

酷い想像ばかりさせて、君は本当にすきだらけね。泡に成って虹へ昇る気もないくせに、半端に縛ってくれたから嫌い。発つ鳥は黙っていなよ。嘘じゃないよ。静まってくれてかまわないよ。何にも止めないで。悔しさが割り込んで邪魔していたの。イチゴシェイクをありがとう。数値なしで心も計れなくてごめんなさい。実は愛しい病原体。葡萄の酸っぱさも知らないのよ。檸檬の皮は苦いんだって、じゅわっと滲めば結構ましだね。用意していた寂しがり屋は、仕方ないから惜しいまま、爽やかに捨ててしまおう。世界のはなし、いまわの際まで教えない。

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