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君を撮る理由
「どうして君は僕を撮るの?」
何気ない一言だった。
私「分からない」
私はそう答えた。
「じゃあ、撮るのは好き?」
また君が言う。
私「…普通かな」
「普通?普通って何?」
私「普通は普通だよ。」
「普通って人によって違うじゃん」
私はそのまま黙り込んだ。
私が普通を求めるようになったのは小学生の時。
母は、特別を愛する人だった。
特別を愛したから父は出て行った。
特別を愛したから母は、泣いた。沢山泣いた。
だから、私は特別を求めない。
普通で平凡な日々を送る。そう子供ながらに思った。
「君は僕が好きなの?」
君は直球で聞いてくる。
あまりにも想定外のことで不覚にも驚いてしまった。
私「どうだと思う?」
私は意地悪そうに言ってみた。
「普通だね」
私「なんだ、君も普通なんじゃん」
私達は笑いあった。
コメント
1件
確かに。普通ってなんだろ… 夢莉ちゃんの小説ってなんかいろいろ深くていろいろ考えさせられる…。てことですごい。うん。((語彙力とは???