『!!』
葉「イタタタタ……!」
尾「嘘だろ……」
訓練が始まって一瞬。
オールマイトのでけェ声が響いてすぐにバキバキと氷が広がり、私たちの足が地面にひっついた。
ぐっと足を動かそうとしても、ビクともしねェ。
轟「動いてもいいけど、足の皮剥がれちゃ満足に戦えねぇぞ」
そしてそんな私に体の半身を凍らせながら言ったのは、この氷を出した張本人。
『!テメェが轟か……!』
轟「なんだ、俺は顔すら覚えられてなかったのか」
ふっと嘘くせぇ笑い方をしながら、私を見据えた轟。
するとソイツはそのまま、口を開いた。
轟「あれだけ粋がってて、これか。ダサいなお前」
『!!あぁ!?』
その言葉に私はズイッと足以外を使い、ガンを飛ばしながら轟にできるだけ顔を近づけた。
後ろでゴクッと息を呑む音が聞こえる。
ダサい。
そんなこと私に言ったのは、コイツが初めてだ。
しかも、コイツは今私の顔が真ん前にあって思いっきり睨んでんのに、ビビらねぇ。
轟「はは、あんま無理すんなよ。足、痛いんだろ?」
『!!』
強い個性。
変わらず涼しい表情。
私に怯まず、余裕そうな態度。
『…………フハッ、は、ははははっ!!!いいね!サイコーだよお前!!興奮してきたァ!!』
その姿に私は。
コイツなら、本気でやれる。
思う存分ストレス発散できるって。
サイッコーに、興奮した。
轟「……お前、なんで笑って」
『おい轟ィ。テメェさっき、足の皮剥がれちゃ満足に戦えない、とか言ってたよなァ?』
轟「……あぁ、言ったが」
『そりゃ人間なら、無理だろうなァ。せいぜいアイツらみてェに固まって終わりだ』
轟「何が言いてぇ」
アイツら、のタイミングでデカ尻尾の方を見ると、ギリッと歯を食い縛り私を睨んでくる。
それをながしながらもう一回轟を見ると、私はニイッと笑った。
『残念でした〜。私はさ、化け物なんだわ』