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幸せになるのは諦めました。
この体に生まれた瞬間から、幸福にはなれなかったのかも、しれません。
人間に、生まれた瞬間から、幸福にはなれなかったのかも、しれません。
何時からでしょうか、生きている感覚というものが無くなったのは。
『信用』という言葉を、信用出来なくなってからでしょうか。
『人間』という、自分への興味がなくなってからでしょうか。
よく、人間は『美しい』『儚い』と聞きます。
私にはよくわからない。
その様な感情は、とっくの昔に何処かへ落としました。
私に残っている感情は、ただ『解放』されたいというモノだけです。
人の前では笑顔でいます。
顔に笑顔が張り付いて取れないからです。
面白いと思わない事でも、笑ってしまう、癖なのです。
暴力を振るわれても、暴言を吐かれても、只々、笑うだけなのでした。
こうしてみると、自分は、つまらない人間なのだと、実感します。
或る日、友が学校へ来なくなりました。
病や怪我などではなく、人が嫌になったから。
私はとても羨ましかった。
家族に、人が嫌と言ったところで、きっと学校へ行けと言われるでしょう。
そう思った私は、この思いを殺しました。
殺したところでまた出てくる、それが感情だと、私はそう思います。
友が学校へ来始めました。
学校側は友がまた来なくならない様にと、仲の良い私に全て押し付けました。
入りたかった委員会、クラブ、全て私の意見は無視され、友と同じになりました。
周りの人は皆、自分の入りたかった所へ、入れていたのでした。
私は、幼いながらに、『人間』の汚さを思い知りました。
しばらくした後、私は女生徒に無視をされる様になりました。
それだけではなく、陰口までも。
とても辛い一年でした。
自分の意見を押し殺してまでも一緒にいた友には、裏切られました。
この時でしょうか、私が『信用』という言葉を信用出来なくなったのは。
何故、私が。
何故、沢山我慢をしたのに。
何故、何故…
私はこの時決めました。
人は信用しない。
した分だけ辛く、苦しくなるのは、私なのだ、と。
さて、感情を押し殺した、と言いましたが、この頃の私は、毎夜、涙が止まりませんでした。
誰にも言えず、頼れずでした。
今思えば、この頃に人に頼る力を身につけていれば、きっと今頃は、幸せだったのかも、しれません。
学校が変わり、以前の人達ではなくなりました。
私は、以前の経験を糧に、人を信用しないようにしました。
ですか、ずっと共にいる人、所謂『友達』は、少し信用してしまうのでした。(友達とは言うものの、上部だけの、薄っぺらい関係でした)
半年程が経ち、学校に慣れ始めた事、私を遠回しに馬鹿にする人が現れました。
ずっと言われるものなので、私は、やめてほしいと言いました。
結果は目前、無駄でした。
私は、またも、裏切られたのでした。
人が言う言葉が、何も信用出来なくなりました。
きっと、裏では、心の中では、私を小馬鹿にし、仲間外れにしている、と。
恋人というのは、どの様にして、成り立つのでしょうか。
人を信用できない私には、到底理解できません。
嫌々恋人になっているかもしれない。
本当は、愛など無いのかもしれない。
そう思うと、心底人間が恐ろしくなるのでした。
感情は殺しても、殺しても、幾らでも湧いて出てくる。
刈っても、刈っても、生えてくる、雑草の様に。
そして、また刈ろうとすると、たまに、美しく、小さな花を咲かせる。
それが、邪魔で邪魔で、仕方がないのです。
殺そうとしても、寸前で殺せない、所謂『好き』というこの感情のせいで、私は沢山苦しみました。(私の中での好きという感情は、恋愛的にではなく、人としてでした)
何故、皆は人を信用できるのでしょうか。
裏で、何か言われているかもしれないとは、考えないのでしょうか。
解りました。
何故、人が幸せになれるのか。
人が人を信用しているからです。
信用しているからこそ、相手からも信用してもらえる。
そうすると、所謂『幸せ』になれるのでしょう。
私はきっと、幸せをこの手で握る事は、到底無理なのです。