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当作品は
◾︎ nmmn
◾︎ BL
◾︎ rbru
を含みます。
nmmnが苦手な方、タグ等上記の意味を理解しかねる方、見覚えがない方は閲覧をお控えいただきますようお願い申し上げます。
また、
◾︎ 話はすべて筆者の妄想・フィクションであること。
◾︎ ご本人様及び関係者、同名の団体、事務所その他とは一切関係・関連がないこと。
◾︎ ご本人様及び関係者の方に対して決してご迷惑をおかけするようなことがないこと。
◾︎ コピペやスクショ、転載等は禁止であること。
◾︎ デリケートなジャンルのため、状況によって名称・名前・表現等を書き換えている場合があること。
◾︎ 閲覧は自己責任であること。
◾︎ 全ての配信、ボイス等を履修できているわけではないため矛盾が生じる可能性があること。
これらを全て了承でき、自衛できる方のみ本編の閲覧をお願い致します。
××┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈××
rbru♀生理ネタです。受けのみ先天性女体化。
♡、濁点喘ぎありのセンシティブですが挿入はありません。
✦︎友情出演:ri、kgt
約13000字
××┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈××
…最悪。
目が覚めて早々、小柳は項垂れた。
抉るような下腹部への痛みと、下半身の違和感。少し身動きをするだけでぐちゅりと不快感の募る音が鳴り、今日ある全てのことを投げ出したくなった。
血の匂いを察して月経が訪れた事に気がついたのか、眠っていたはずのオトモはキューブから姿を現しみゃうみゃうと鳴いていた。宥めるように指で顎下を摩り、目を細めるオトモを見ながら整理する。生理だけにってな、はは。
…とにかく、この経血で真っ赤に染ったシーツを洗わなくては。
今日は珍しくディティカ四人での任務がある。この処理をしなくてはならないことを考えると、そろそろ起きないと間に合わない。遅刻する訳にはいかないと重たい体を持ち上げ、痛む下腹部を無視してシーツを剥いだ。
✦︎✧︎✧✦
「疲れたぁ〜」
手に持っていたトランクケースをドカりと地面に置いてそこに項垂れる星導。それなぁと地面に座り込んだ伊波と、何故か余裕そうな叢雲。その傍で、小柳は余裕そうな振りをしながら内心焦っていた。
腹が痛すぎる。
月経が始まって初期の頃、1日目から2日目にあたって症状が重いタイプである小柳はその痛みに耐えながら任務をこなしていた。
座ったら立ち上がれなくなる、けれども歩くのも辛い。どうしようもない状況に、小柳はその場に立ち尽くしていた。
「なんか最近KOZAKA-C活発じゃない?」
「またなんか企んでそうやな」
「えぇ〜もう勘弁して欲しいんだけどぉ」
任務は終わってその後の雑談中。これ以上は無理だ、と小柳は早々に帰ることにした。肝心のKOZAKA-Cを倒すという任務は終わっているし、気配を探るに残党も居ない。報告書は…まあ、誰かに任せとけばいいだろうと他力に任せ、小柳は帰る、とだけ呟いて踵を返した。
「えっ、もう帰るの?」
「なんや、忙しないな」
「まって小柳くん!」
背後から掛かった声に、小柳はぴたりと足を止めた。振り返れば、少し眉を寄せた星導がこちらを見ている。その隣では伊波が不思議そうな顔をしていて、叢雲はただ立っていた。
「……なに」
平静を装って返した声は、思ったより掠れていた。
「俺も一緒に帰る」
そう言って並び出した星導は、小柳の手を取った。そんな様子を見て、やれやれ、とでも言いたげに肩を竦めて伊波と叢雲は二人で別方向へ行ってしまった。
なんで、と口にする暇すらなく、手を引かれたまま歩き出す。
ただの月経。毎月一週間というかなり高頻度で訪れるというのになぜこの体はいつまでも慣れてくれないのだろうか。生理なだけ、なんて言えるわけもない。けれどきっと、彼は察している。仕事だから、体調が悪くとも小柳が自分で決めたことだから口を挟まなかっただけで、星導はきっと小柳の様子がおかしい事に気がついていたのだ。
「すぐ帰りたい?それとも温かいもの買って帰る?」
手を繋いだまま、小柳を気遣ってくれている声色に、小柳は鼻がツンと痛くなった。ホルモンバランスの崩れた今の身体では、少し優しくされるだけで涙が出てしまう。こうして手から伝わる星導の体温に安心するのも、恋しくなるのもきっとホルモンバランスが崩れているから。…そう、思わせといて欲しい。
「…買って帰る」
「はぁい。何買おうか」
間延びした声に、酷く安心した。軽く食べれるものと、小柳くんが好きなものと。脳内に浮かべながら指折り数えて選んでいく星導を横目に、きゅん、と胸が高鳴ったのがわかった。だってこんなの、惚れてしまう。…いや、もう惚れているし付き合っているのだけれど。
星導から告白されて、付き合って一年と数ヶ月。付き合った当初は小柳の月経にどう対応したらいいのか分からなくてあたふたとしていた星導が、こうして小柳を気遣って、月経中は小柳が人肌を求めることを知って手を繋ぎ、温かいものをと考えてくれるその姿が付き合いの長さを感じられて嬉しくなった。
✦︎✧︎✧✦
小さな鼻歌で目が覚めた。
横になった身体の腰あたりでは一定の間隔でぽん、ぽん、と暖かいものが触れる。目が開いた先に見えたのは愛おしそうな表情をした愛する男の顔。
小柳の目が覚めたことを認識した男はごめん、と申し訳なさそうに呟いた。
「起こしちゃった?」
「んー…んふ。何、俺のこと見てたん」
「えへ。可愛い寝顔だなと思って。」
随分と恥ずかしいことを言う。
中々自分の思いを伝えられない小柳とは対照的に、星導はむしろ、恥ずかしげも無く自分の思っていることを打ち明けるタイプであった。素直になれない小柳にとって尊敬はするが、時たま、それが仇となることがある。…いやだって、普通に恥ずい。
真っ赤に染った小柳を見て、星導はより愛おしそうな表情を緩ませた。
任務を終え、星導と共に小柳の家へと戻ってきた。星導の手には帰り道で買ったものが溢れかえっている。大丈夫だと小柳は言ったのに、あれもこれもと星導が入れまくるからだ。
シャワーを浴びてさっぱりしてしまったらもう、身体はうとうとと船を漕いでいた。緩いスウェットを着て、ソファでココアを両手に持っていたから、星導にそっとそのココアを奪われた。零すよ、なんて優しい声色と共に体を抱き上げられて、いつの間にかベッド。布団を被せられておやすみ、と体を星導の手でとん、とんとあやされてしまっては数秒後には夢の中。
小柳は月経中は眠気が来るタイプであった。
食欲が増したり、減ったり。症状は人によって様々だと思う。色々ある中で、小柳は眠気が特に酷く現れる。
「よく寝れた?」
柔らかな声とともに、ポンポンと腰を叩く手の動きが止まる。小柳はまだ少しぼんやりとした頭で、星導の胸元に顔を摺り寄せた。星導の温かな体温が、先程まで感じていた下腹部の重苦しさを少しだけ遠ざけてくれる気がした。
「……何時?」
掠れた声で尋ねながら身じろぎすると、星導は少しだけ表情を曇らせた。
「今は夜の九時。…任務の後だし、相当疲れていたみたいですね。あんまり動かなくていいよ、そのまま寝てていいから。」
「んー…ほしるべは?」
「俺?俺ももう寝てもいいけど…配信は定休日って言ったし。」
「ん」
星導の答えを聞くと、小柳は自身を覆っている布団を捲ってスペースを空けた。ここへ来いと言うことなのだろう。
「ご飯は?食べなくていいの?」
「次起きたら食う。…早く」
中々動かない星導に急かすように腕を動かした。
…ああもう、なんて可愛いんだ。愛おしくてたまらない。
抗いもせず、そのままそのスペースへと潜り込み小柳を優しく抱き締めた。んふふ、と満足そうに笑う小柳に、キュートアグレッションの意味がよくわかった。これは危ない。
「明日会議あるけど行けそう?最悪俺だけ行くけど」
「…ほしるべが行くならいく。…ひとりで待つの嫌。」
星導の胸元に顔をうずめていた顔を、隠すようにより深く沈めた。この子は星導をどうしたいのだろうか。そろそろキュン死してしまう。
「わかった…一緒に行こうね」
「…ん」
星導は、腕の中で大人しくなった小柳の頭を、壊れ物を扱うようにそっと撫でた。
その仕草が心地よくて、小柳はさらに力を抜いて彼の匂いに深く包まれる。いつもなら「甘えすぎだ」と自分を律する理性が、今は酷い生理痛とホルモンバランスの波にさらわれて、どこか遠くへ消えてしまっていた。でも、それでいい。星導だけには、このどうしようもなく弱り切った自分を見せてもいいと思えるのだ。
✦︎✧︎✧✦
「うお、珍し。」
扉を開けて早々、普段は遅めに来る星導と小柳の姿に、そして次に眠っている様子の小柳に伊波が目を見開き、気を遣ってか、最小限の声量で呟いていた。
「寝てんの?」
「うん。今ちょっと体調悪くて。」
「あぁ、昨日のか。…アレ?」
「そう。」
「ブランケットは?借りてこようか?」
「助かる、お願いします。」
察した伊波はおけ。とすぐさま荷物を置いて部屋から出て行った。
部屋に入って早々、星導の膝を枕に眠ってしまったものだから取りに行くことも出来なくてどうしようか迷っていたのだ。やはり伊波はできる男。
こりゃあモテるだろう、俺の次に。
数分後に伊波は叢雲と共に戻ってきた。スタッフにブランケットと借りて帰っている時にちょうど部屋にやって来る叢雲と出くわしたらしい。
駆け寄ってきた叢雲が小柳を顔を覗いて心配そうに顔を歪ませている。
「来て大丈夫なん?」
「ひとりで家にいるの嫌なんだって。多分今日はずっと寝てるかも。内容は後日俺が共有しとくから許して。」
「それはいいけど…小柳って眠くなるタイプなんだっけ」
「そう。基本寝てるか起きて痛そうにしてるかだから眠ってもらった方が安心はするよね。」
「ほえ〜、大変なんやな、女の子の体って。」
「ね。まあよく考えたらそりゃ血が出てるわけだから痛くないわけないよね。」
「確かに…」
男たちのひそひそとした会話に、小柳が身動ぎする。居心地が悪かったのか、小柳はのそりと体を起こして数回瞬きし、そのまま何も言わずに星導の膝へと跨り星導の首に腕を回してそのまま抱き着きまた眠ってしまった。
「…なんこれ」
「猫?」
「かっ…………………わいすぎるでしょ」
「溜めたなぁ」
目の前の愛おしい狼を抱き締めてその肩口に顔を埋めた星導は悶え苦しんでいる。なんと哀れなことか。その光景を目の当たりにして、伊波と叢雲は思わず顔を見合わせた。
まあ、今回ばかりは仕方がない。目の前で密着されては気まずくて仕方が無いが普段見ることの出来ない小柳を見れたので許してやるとしよう。
✦︎✧︎✧✦
会議が終わると、星導は腕の中の小柳の背中に優しく手を添え、部屋を出ようと促した。
「お疲れ様。帰ろっか、小柳くん」
「……ん、帰る」
ふらつく足取りを星導が支え、二人は部屋を後にする。家に着くまでの間も、星導はずっと小柳を気遣い、何度も「大丈夫?」と声をかけていた。
その過剰とも言える優しさが、今の小柳にはどうしようもなく重たく感じられた。
帰宅してすぐ、小柳はソファに倒れ込んだ。下腹部の鈍痛が再び強さを増し、頭もぼんやりと重い。そこに、星導が心配そうに近寄ってきた。
「小柳くん、冷えてない?ブランケット持ってくるね。あと温かいスープ食べれる?」
星導は屈み込み、小柳の額にそっと手を当てる。熱はないか確認しようと、優しく、けれど少しだけしつこく身体に触れてくるその行為に、小柳の中で何かがプツリと切れた。
ホルモンバランスの乱れによる、どうしようもない苛立ち。
自分でも分かっている。星導が自分を想ってくれているからこその行動だということは。それでも、今の小柳にはその「優しさ」が、狼のプライドを傷付け、肌の上を這う不快な刺激のように感じられて仕方がなかった。
星導の手が小柳の肩を優しく撫でようとしたその時。
「触んなッ!」
小柳は乱暴に星導の手を振り払った。
静かなリビングに、自分の荒い息遣いと、星導の驚きで止まった呼吸の音が響く。
「……ッ、ご、ごめん、!なんか、カッとなって…ッ!」
言い捨てて背を向ける。顔を見れなかった。
言い過ぎた。そう分かっていても、一度表に出た棘は止まらない。小柳は丸まり、自分の身体を抱きしめた。
星導は何も言わず、ただその場に立ち尽くしていた。いつもならすぐに「ごめんね」と謝ってくる彼が沈黙していることに、小柳はさらに追い詰められるような焦燥感を覚える。
(嫌われただろうな……)
あんな理不尽な怒り方をされたら、いくら星導でも呆れるに決まっている。
どうしよう。そう思った瞬間、涙腺が緩みそうになるのを必死で堪えた。ただでさえ体調が悪いのに、心までこんなに脆くなってしまった自分が情けない。
その時、背後で微かな衣擦れの音がした。
「……ごめんね。少し離れてるから。」
聞こえてきたのは、怒りや戸惑いの声ではなく、変わらず穏やかで、ただただ小柳を気遣う声だった。星導はそれ以上何も言わず、ソファから離れて別の部屋へと向かう気配がした。
一人取り残されたソファで、小柳はぎゅっと自分の腹部を抱きしめる。
冷え切った空気の中で、さっきまで感じていた彼の温もりが消えてしまったことに、今度は猛烈な寂しさが押し寄せてきた。
なんであんなこと言ってしまったのだろう。
あんなに優しくしてくれたのに。我儘ばかり言う小柳の言うことを嫌な顔ひとつせず受け入れて、甘やかして、愛してくれたというのに。なぜ。
さっきまであれほど鬱陶しいと感じていたはずの体温を、今は無性に求めてしまう。
わがままだと知っている。それでも、小柳はゆっくりと身体を起こし、星導が去った方角を、潤んだ瞳で見つめた。
心臓が不規則なリズムを刻んでいる。振り払った右手が、まだ微かに震えていた。怒りで震えているのではない。ただ、拒絶してしまったことへの恐怖と、彼を失うことへの猛烈な不安で、体が悲鳴を上げているのだ。
(……追いかけて、謝らなきゃ)
分かっている。自分が悪いのだから、謝らないと嫌われてしまう。頭ではそう理解しているのに、重しを乗せたように足が動かない。生理特有の倦怠感に、罪悪感が追い打ちをかけ、視界が滲む。
その時だった。廊下の奥から、小さくカチャリと音がした。
期待と不安が入り混じり、小柳が息を呑む。戻ってきたのは、トレーを持った星導だった。
「……小柳くん」
戻ってきた彼は、怒っている様子も、呆れている様子もなかった。ただ少しだけ、困ったような、それでも慈しむような柔らかな目をしている。
星導は小柳から少し離れた場所に座ると、湯気の立つカップと、小さな毛布を差し出した。
「ココア淹れて来たよ。少し落ち着くかなって」
いつもと変わらない、ただ温かい小柳の好物。それが今の小柳にとって、何よりも深く胸に刺さった。さっきまであれほど「触られるのが鬱陶しい」と感じていたはずの神経が、今は星導がいない部屋の寒さに耐えかねて、彼の存在を過剰なまでに求めていた。
「……ッ、……ほし、るべ」
掠れた声がこぼれる。
星導は何も言わず、ただ微笑んでいた。物理的な距離は保たれている。けれど、その佇まいが「ここにいるよ」と告げているようだった。
小柳は震える足でソファを降り、そのまま星導の胸の中に倒れ込むようにして抱き着く。んふ、と笑ったその大きな手が小柳の背中をゆっくりと撫で始めた。
「ごめ、ごめんなさい、!さっきは、その、…っ」
「いいよ、分かってます。」
星導の腕が、小柳の腰を包み込む。先ほどまで感じていた不快感など嘘のように消え去り、ただただ、彼の体温と匂いだけが小柳の荒ぶった精神を鎮めていく。
小柳は顔を星導の首筋に埋め、涙を流した。泣き顔なんて見せたくない、強い狼でありたい。そう思うのに、ホルモンバランスの波はあまりにも高く、抗う術を小柳から奪い去っていた。
「……俺、ほんと、わがままで……ひどい、こと……っ」
「んー、知ってる」
星導は笑った。それは馬鹿にするような笑い声ではなく、すべてを許容するような、深い慈愛に満ちたものだった。
口悪いし、つれないし、ゲームばっかするし。と次々に出てくる言葉に言い過ぎだろ、と口にはせず目で訴えてやった。
「でも、そのわがままを言える相手が俺で、俺だけに見せてくれる弱さなんだって思うと、ちょっと嬉しい…かも。」
星導は抱きしめる力を少し強め、小柳の頭に頬を寄せる。
「俺は小柳くんの味方だよ。どんなに体調が悪くても、機嫌が悪くても、俺が隣にいるから。」
小柳くんだって俺が機嫌悪い時寄り添ってくれるじゃん。
その言葉を聞いた瞬間、張り詰めていた糸が完全に切れた。小柳は嗚咽を漏らしながら、さらに強く星導の服を掴む。
星導の優しい手のひらが、先ほどまで痛んでいた小柳の下腹部を、衣服の上からそっと、熱が伝わるように摩り始めた。
痛みは、すぐには消えない。
それでも、この温もりが消えない限り、小柳は明日もまた、彼と共に立ち上がれる気がした。
「……っうぅ…………………すき」
絞り出した小柳の愛の言葉に、星導は堪らなく抱き締める。額にそっと唇を寄せて、俺も好きだよ、と特別甘い声で囁いた。
✦︎✧︎✧✦
「落ち着いた?」
小柳を腕の中に抱き締めたまま、ソファに小柳ごと座り直しその辺にあったティッシュを星導が手繰り寄せほら、と手渡す。ぐちゃぐちゃの顔をティッシュで拭い、鼻水を啜り。うん…と弱々しく発された音にふは、と星導が息を漏らした。
「ぁに笑ってんだよ…」
「んーん。かわいいなって。お腹、早く良くなるといいね。」
再度摩られる下腹部。そういえば、先程よりは痛みがマシになっている気がする。魔法のような好きな人の手に、じわりと胸が暖かくなった。むしろ、腹の奥はじくじくと熱を持ち始めている。
「んー…なあ」
「なぁに」
「その……んと、………。」
「なんでも言ってごらん?」
「あのね、その、……え、えっち、したい………」
「はぇ…」
意を決した小柳の発言に、ピシリと体が固まった。
この狼はなんと言ったか。えっち、えっち…?えっちとは、おそらくそういう事で。星導の認識が間違っていなければ性交渉のお誘い。
…何を言っているんだ。
絶賛腹が痛いと蹲って、モルモンバランスが崩れて泣き喚いていた最中だろう。
「…こんなこと聞いてごめんけどその、生理中ですよね?」
膝の上にいる小柳を見下ろせば、本人は至って真剣というか、むしろどこかトロリとした、潤んだ瞳でこちらを見つめ返してくる。
「……だから、なに。…ダメなん?」
ダメなわけがない。……いや、ダメだろ。
体調が悪いことを一番理解しているのは自分のはずだ。それなのに、そんな上目遣いで、少しだけ甘い熱を帯びた声で誘われたら、理性が砂のように崩れていく音がする。
うぐ、と言葉を詰まらせた星導を見て、小柳はここぞとばかりにその豊満な胸を星導へと寄せた。
「なーあ、お願い。おれ、ずーっと腹の奥がきゅんきゅんしててさぁ…ムラムラ止まんねぇの。よく言うやん、生理中は性欲強くなるみたいな。」
そうなのか、そういうものなのか?
小柳が星導の膝上に乗っている事で座高が上がり、星導の胸元にあるその膨らみが気になって仕方がない。今まで別にそこまで胸に興味は無かったのだけれど、小柳のものとなれば別だ。好きな人に胸を押し付けられてえっちしよ♡なんて誘われて断れる男がいるのだろうか。否、いない。…そういうことにさせて欲しい。
「…じゃあ、挿入はしない。」
「え」
「小柳くんが気持ちよくなるお手伝いはしてあげる。触るのは胸だけね。それじゃあダメ?」
「んぇ、胸だけ?…ナカ、挿れてくんねぇの?」
「ぐ、…………挿れません。傷付けたくたいの、俺は。いいじゃん、小柳くん俺の匂いさえあれば気持ちよくなれちゃうんだから。」
ね?と耳元で囁けば小柳は真っ赤に染めた顔を星導の方へと埋めた。
「ここだと疲れちゃうから、ベッド行く?」
「ん…」
ぎゅぅ、としがみついてきた小柳をそのまま抱きかかえれば小柳は脚を星導の腰へと絡める。小さな体は容易く持ち上げられて何とも心配になってしまう。…こんなに大きなものを持っているのにここまで軽くて大丈夫なのだろうか。
寝室へと足を運びそっとベッドへ愛おしい体を下ろす。はやく、と急かされて星導もそのままシーツへと体を投げ出した。
「んっ…んん、っふ、ちゅ、ぁ…♡ んむっ♡ ん~ッ♡♡」
「ッは…♡ もうビクビクしてる、キス好きだよね。」
「ふぁ…♡♡ んちゅ、んっ♡ すき♡らいすき♡♡ ん……っぁ…やだ、もっと、もっとちゅー……♡」
離れようとすると星導の唇を貪るように求め、小柳の指先が彼の上着を掴んでぐしゃりとシワを寄せる。
普段の強気な面影はどこへやら、今はただ、愛する人の温度と愛情だけを貪るようにして熱を帯びていた。
何度も唇と咥内を味わいながら慣れたように小柳の服を脱がしてゆく。顕になったその豊満な膨らみに、小柳は照れているのか目をきゅっと瞑る。先程散々これを使って誘ってきたと言うのに、可愛いやつめ。
「あ、今日も俺が選んだブラ着てくれてる」
「ん…♡ てかもうお前が選んだブラしか持ってねぇよ。」
「…なにそれ、誘ってる?」
「まあ進行形で…」
「はは、その誘惑に負けたのが俺なんですけど。」
まずはそっとその薄紫の下着の上から。さわさわと形をなぞるように撫でる。何度も愛撫され開発されきったその性感帯に小柳は「んっ…♡」と甘い声を漏らしながらぴくぴくと体を震わせた。
「小柳くんおっぱい大きくなった?」
「はぁ!?っバカ!」
「ぐぇ」
「おま、最悪…っ!カスみぇなセクハラ発言やめろ!」
「えー、だってほら。俺が選んだ時はピッタリだったのに、今ちょっとはみ出てるよ」
「っ、はみ出てねぇよ!クソッ、見んな、もうっ!」
顔を真っ赤に染め上げて、小柳がシーツを掴んで上半身を隠そうとする。けれど、星導の指先は逃がさない。ブラのカップの縁に親指を掛け、ぷくりと溢れた柔らかな肉を愛おしげになぞると、小柳は「ひゃぅっ……!」と間抜けな声を上げて星導の胸に再び顔を埋めた。
「そんなに羞恥心あるくせに、自分から誘っちゃってさぁ…ほんと、可愛いね」
「……うるさい。ほしるべのせい、ほしるべがおっぱい好きなんだろ!いっつも揉んでるじゃん!」
「まってなんか語弊がある!違う、いい?おっぱいが好きなんじゃなくて、小柳くんが好きなの。おーけー?」
「のー!」
「ええっ!そりゃあさあ、おっぱいだろうがなんだろうが小柳くんのものならなんでも好きなわけ。俺だよ?」
「うるさい。おっぱいって連呼すんな、キショい」
「言い過ぎじゃない?」
ぐずぐずと文句を言いながらも、小柳の身体は星導の温度を求めて素直に火照っている。何だかんだ照れているだけなのだ。星導によって育てられた身体を認めたくないだけ。
星導は小さく笑うと、ブラのホックに手を掛けた。カチリ、と静かな音が鳴り、解放された双丘がふわりと揺れる。星導はそれをそっと手のひらで包み込み、やわやわと揉み込む。
「お腹、さっきより楽になった?」
「…ん、っ今は……あんまり、痛くない、ぅあッ♡」
「よかった。じゃあ俺が痛かったの忘れるくらい気持ちよくしてあげる♡」
「ぁっ、んんッ♡」
「んふ、やっぱ大きくなってる♡ 俺が育てました。」
「っふ、ぁあッ♡ ばーかッ♡ キメェこと言ってんじゃねぇよ…ッ♡♡」
まだ揉まれているだけ。ゆっくりと乳房を支えられ、そっと撫でられ、マシュマロのような柔らかいそれを星導は手のひらで堪能していた。
「ただでさえ大きいのにさぁ、これ以上大きくなったら色んな男にもっと見られちゃうよねぇ…小柳くんえっちだし。すぐ喘ぐし。」
「あぇッ、いでないっ!」
「嘘つくなって、ホラゲーで喘ぐくせに。小柳くんがおっぱい触られるとすぐ気持ちよくなっちゃうから触ってあげてたけど…しばらく控えようかな。」
「ぇ…や、やだ、、なんで」
「なんでって、小柳くん特にぴっちりした服好きじゃん。あれ毎回外歩く度に男にガン見されてるからね?俺と一緒じゃなかったら襲われてるよ」
「ほしるべがいるからいいじゃん」
とろんと溶けかかった瞳でそう言い捨てた。それは強がりなんかじゃなくて、心の底からの信頼と、どこか幼い独占欲が混ざり合った言葉だった。
そんなことを言われて、心が動かないわけがない。星導は小さくため息をつくと、溜まっていた愛しさをそのまま吐き出すように、小柳の首筋に顔を埋めた。
「……ずるい、そんなこと言われたら許しちゃうじゃん…」
耳元で囁くと、小柳は「くすぐったい」と小さく笑いながらも、星導の背中に腕を回してその身体を強く引き寄せた。
生理痛特有の重だるさは、彼と密着していると不思議と遠のいていく。それは痛みを感じる余裕さえも、彼が与えてくれる快感と愛情で上書きされてしまうからだ。
「……ごめん。もう手、止まんないかも♡」
星導が熱を帯びた声でそう呟くと、乳輪を円を描くように撫でていた彼の指先が小柳の膨らみを丁寧に愛撫し始めた。先ほどまで羞恥心で抗っていたはずの小柳は、星導の指が描くリズムに合わせて、小さく、けれど抗いようのない吐息を漏らす。
「っぁ、ぁ……ッ ……ほしるべ、そこっ、♡」
「ん、ここ?……いい声だね、小柳くん。」
容赦のない優しさで、彼は小柳の身体を慈しむように触れていく。
普段の強気でぶっきらぼうな姿はどこへやら、今の小柳は、星導の手一つで表情を崩し、熱を上げていくことしかできない。
ふあ、と声を我慢している小柳の胸に星導は顔を寄せた。ふっ、と息をかけたかと思えば唇が突起へと辿り着く。ちゅ、と先端に触れるとわかりやすく小柳の身体はピクリと反応する。
「きもちー?」
「ンっ♡ きもち、きもちぃ…っ♡♡ ぁッ♡ んぅ、たりない、ほしるべ足りないッ!いれてよぉ…っ!!」
「だぁーめ。大丈夫、小柳くんは挿入れなくても気持ちよくなれますよ。」
小柳の精一杯のおねだりを星導はいとも容易く躱した。
ムッ、と小柳は頬を膨らましているとそれに気がついた星導はふはっと笑ってごめんね、と小柳の額にキスを贈る。それに少しだけきゅんとしてしまったのがとても悔しい。
「そろそろイきたいよね」
厳密に言えば何度か達している。星導に触れられるだけで、匂いを吸い込むだけで気持ちよくなれるように調教されてしまった身体は言うことを聞かない。既に下着の中は大量の愛液と少量の血液で気持ち悪くなっていた。
小悪魔のようにいじらしく微笑んだ星導が遂に胸の突起へ舌を這わす。ちゅ、と咥えてちろちろと舌で舐めて。小柳の反応を伺いながら、小柳が好きなように嬲ると小柳の下半身は自然と揺れ出した。
胸元で突起を愛撫し続ける星導の頭をぎゅっと抱き締めて、その頭頂部に鼻を擦り寄せた。そのまますぅ…と大きく息を吸えば大好きな星導の匂いでいっぱい。きゅんきゅんと疼く腹の奥が少しだけ満たされたような気がした。
「ぁ、っあ♡ イく、イッちゃう…っぁ~~~~~……ッッ♡♡」
ガクガクンッ!と腰を震わせたあと、ふぁ…♡、と頭の先から足の先まで蕩け切ったような息を吐き出し、小柳は力の抜けた体をシーツへと預けた。熱を持った肌がひんやりとしたシーツに触れ、心地いいアンバランスさが全身を包み込む。
大きく上下していた胸の動きがようやく落ち着いてくると、さっきまで暴れていた下腹部の鈍痛も、不思議と遠のいている気がした。
「気持ちよかった?」
頭上から降ってきたのは、どこか誇らしげで、けれど底抜けに優しい声。
小柳はむすっと不機嫌そうな顔を装いながらも、脱力しきった腕をもう一度星導の首に回した。
「…ん。でも気持ちよくなりすぎて下着んなか気持ち悪い」
「ンぐっ………そ、うですよね。お風呂入るでしょ?沸かして来ます。」
小柳の下着の中を想像しかけて、さすがにライン越えかと留まることに成功した。危ない、抜刀されるところだった。
首に回された腕をそっと離して、お風呂の湯をはる。溜まっていくお湯を見ながらふう、とひと息。よく耐えたものだ。乱れた恋人を目の前にして、自身を求めてくる好きなひとを躱しながら、よく理性を崩さずにいられたなと自身を褒める。
よし、とぺちんと頬を両手で叩いて小柳の元へと足を運ぶ。早く戻らないと、存外寂しがり屋な彼女は独りにされてくるくると寂しそうに喉を鳴らしてしまう。
寝室へと戻ると上半身は裸のままの小柳がぺたりと目を瞑ってベッドに寝転がっていた。…まあ、別に服を着ておらずとも、今から全て脱いでしまうのだから何もおかしなことなどないのだけれど。
「寒くない?小柳くん」
「んーん、大丈夫。けどねみぃ」
「じゃあ早く体綺麗にして寝よ。抱えますよ」
「うい」
よいしょと横抱きして脱衣所へ。まだ湯はりは終わっていないかもしれないが、きっと服を脱いで、体を洗っている間に溜まり切るだろう。文明の利器とは素晴らしいもので、ボタンをポチッと押すだけであっという間に暖まれてしまうのだ。
そっと床へ足をつけさせると、ん!と両腕を広げて全てを委ねてきやがった。襲うぞ、今すぐ。
✦︎✧︎✧✦
「そういえばお前はいいん」
「なにが」
「いや、…射精してないやん、お前。口くらいなら、貸す、…けど」
最初はハキハキとしていた口調が、次第にもごもごと口元を澱ませた。星導が達していないことを気にしていたらしい。二人して湯に浸かり、背後から抱き締める星導の足の間に座りながらにぎにぎといじっていた星導の手に触れる指が止まった。
「小柳くんを気持ちよくさせるって話だったでしょ。俺はいいよ。…あ、でも」
でも?と星導の言葉を繰り返し上を覗くように星導を見る。
んふ、と獲物を見つけたかのような瞳をした星導は、小柳の耳元に口を寄せ甘く囁いた。
「小柳くんが元気になったら、俺のこといっぱい気持ちよくさせてね♡」
パシャリ、と湯が揺れる。ぷるぷると震え真っ赤になり俯いた小柳が小さくばか、と呟いたのを星導は聞き逃さなかった。
小柳がどう楽しませてくれるのか、数日後が楽しみである。
終
最後まで閲覧頂きありがとうございます୨୧ ˊ˗
学生の皆様は夏休みだと思いますのでいつもよりも早く投稿させていただきます.ᐟ
有意義な夏休みをお過ごしください˖ ࣪⊹
時間かかる場合がございますがコメントからリクエスト受け付けております。
現在はrbruのみ。
詳しく詳細いただけるとより早く仕上げられるかもです。
励みとなりますので感想や反応等もお待ちしております!
(いつもありがとうございます。歓喜しながら読ませていただいております߹𖥦߹♡)
りゅず
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コメント
5件
もうねやばい、何がって神がここにいることなのよ信じられないよねこんな神作があるって
最っ高です!いつも見させていただいております!まじっで神です!いつも神級な小説ありがとうございます!
**あいゆ。さん、14話楽しく読ませていただきました!** ♡♡♡で体調が悪い時の感情の浮き沈みと、それでも星導に甘えたくなっちゃう小柳くんの心情描写がすごく丁寧で…「触んな!」って怒っちゃった後の罪悪感とか、泣きながら謝るところ、すごくリアルで胸がギュッとなりました。ホルモンバランスってそうだよなあって。 最後に自分から「えっちしたい」って誘っちゃうところ、強気な小柳くんの可愛いギャップが否応にも刺さりました。星導は理性保ちながらもちゃんと気持ちよくさせてあげてて、やっぱこの二人の関係性尊いっす…! 続きも楽しみにしてますね〜🔥