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こんにちはー
今回はクラゲの水槽に参加ということで!ハイキューでも一作品出させて頂きます!!
早速レッツGOー!
これは、夏の間だけの秘密の恋。
夏休みのある日、私は一人で水族館にいた。
冷たい空気と、青い水槽の中をただようクラゲた
ち。
ふわふわ、ゆらゆら、
誰にも縛られずに漂っている姿は、少しうらやましかった。
「…..ここ、落ち着くよね」
隣に立っていたのは、制服の上から白いシャツを織った、知らない男の人だった。
いやーー見たことはあった。
青葉城西のセッターの、、名前が思い出せない。
試合の応援に行ったとき、コートの真ん中で一際目立っていた人。
「君も、クラゲ好き?」
「…..はい。なんとなく、掴めない感じが好きです」
彼はふっと笑った。
「俺も、そう。掴めないものの方が、惹かれるよ
ね」
その日から、ぽつぽつと、彼と会うようになった。
決して連絡先を交換したわけじゃない。
でも、水族館のクラゲの前で、何度か言葉を交わした。
名前も、学校も、話さない。
でも、夏の間だけの”秘密の友達”。
「へぇー、君はミュージシャンになりたいんだー」
「そうなんですけど、親に大反対されて、、高校卒業したら独り立ちしてやります!」
「いいね。俺も、バレーボール選手になりたいんだ。」
そう話す彼の顔は楽しげな幼い男の子にも見えた。
しばらくして、彼は水族館に来なくなった。
一人でクラゲみたいにを見るのは慣れているはず。
なのに、どこかさ寂しさを感じたのは何故だろうか。
何週間かして、久しぶりに彼が水族館に来た。
「おれ、もうすぐでここにこれなくなるんだ。」
真剣な眼差しでそれを伝える。
「そう、なんですか、、」
何かを伝えたい。
だけどそれが上手く言葉にできない。
そうだ、名前、名前だけでも、、
「私、、((」
そう思ったが彼に止められる。
「言わないままで、いいよ、、、きっと覚えてるから。」
そうして、ひと夏の私の恋と言っていいのか分からない不思議な関係が終わった。
「及川徹さんにインタビューをしてみましょう!」
及川、徹。
偶然にも、彼の名前を思い出すことになった。
その名前を聞く度にあの夏の日々が、青い水槽の中にふわふわと浮かぶクラゲみたいに思い出される。
それから季節は幾度もうつりかわった。
私は念願のライブを開くことに成功。
彼の名前も、姿も、今ではたくさんの人が知っている。
でも私にとっての彼は
“あの夏の水族館でクラゲの前にいた男の子”
のままだ。
あの恋は、手を伸ばせば届くと思った。
でも、届いた瞬間、すうっと消えてしまった。
まるでーー
クラゲみたいな恋だった。
「ねぇ」
ライブ後、懐かしい顔が目の前にあった。
「及川、徹さん、、」
「ちゃんと、覚えていたよ、“クラゲちゃん”」
もしかしたら、まだそこに、クラゲが居るかもしれない。
手を伸ばせば、届くかもしれない__
これでおわりまーす!!
読み切りのリクエストあったらぜひぜひコメントしてください!!
じゃあ
バイバーイ!!