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前書き
この度はこの作品をご覧になって下さりありがとうございます。
初めましての方が多いでしょう。
私は死乃²愛(シノノメ)と申します。
お絵描きとゲームが大好きなそこら辺のヤツです。
是非、お見知り置きを。
私は主にゲームが好きでゲームの方を優先している為、stxxxの方はゆる推しです。
なので、キャラがズレてる部分もあると思われますが、優しく教えていただけると幸いです。
貴方の心にこの作品が少しでも残ってくだされば、とても嬉しいです。
これから気長になりますが、よろしくお願いします。
プロローグ 【月が綺麗ですね。】
動物に懐かれるのは、どれくらい時間がかかるだろう?
状況、性格、責任感…
その数値が少しでも違うだけで、時間は変わる。
猫で例えたら、性格が悪ければ無論、時間かかるし、良ければ早く懐く。
野良猫を撫でながら、僕は餌をやる。
人間も動物も、餌に釣られてしまえば餌を与えた側が上になってしまう。
人間も動物も複雑で単純だ。
…矛盾がすごいよね、生き物って。
仕事終わりの野良猫は癒しだ。
最初は警戒してるけど、あるテクを使えば野良猫もこちらにスリスリと頬を擦り付けて来る。
嫌な上司の事さえも、その時だけ忘れられる。
💙「…今日は月が眩しいくらいだな~。」
💙「普段見えない道も、明るいよ。」
💙「せっかく綺麗だし、撮っておこうかな!!」
💙「…ピントを合わせてっと……」
路地裏にシャッター音が響く。
スマートフォンに収まっている月は美しくて、生きてる内に1回しか見れないんじゃないかってくらい大きい。
💙「…帰ろうかなっ!!」
💙「明日は休みだし、たまにはゆっくりと…」
そう呟いて、路地裏を出る。
曲がり道を通った時だった。
誰かが倒れてるような影が見えた。
💙「…人?」
恐る恐ると近づく。
月の明かりのおかげですぐに顔が見えた。
服装も。
だが、そこら辺にいる人、って感じがしない。
今は4月だと言うのに、魔法使いのような格好をしている。
ハロウィンにしては、早すぎるし、…なんなんだ…?この人…
でも顔は美青年で…?
…んんぅ、?コスプレ会でもしてたのかな?
💙「…あの、、…大丈夫ですか?」
呼びかけるが返事がない、
死んでる訳じゃないよね…?
そんな考えが脳を過って、すぐに息をしてるか確認する。
口元に手を近づけると彼の息で僕の手が少し湿った。
大丈夫。生きてる。
💙「…あ、ッ…あのッ…!!」
強く呼びかけると、肩をぴくっと震わせ、静かに瞼を開いた。
?「…あれ、?ここは…──」
?「…無事、人間界に来れてるじゃん!!」
急に起き上がって、その場で跳ねる。
なんなんだこの人……
💙「…あのぉ、大丈夫ですかぁ…?」
?「ん?」
魔女が被りそうな帽子に着いている、アメジストのようなものをキラッとさせて、こちらに振り向く。
?「…君は?」
そう言って、顔をずいっと僕に近づける。
💙「え、ぁ…近ッ、…」
?「あ~ごめんごめんw」
?「んで?名前は?」
💙「青です、…」
?「青……へぇ、珍しい名前だね~!!」
そう言って僕から距離を取った。
?「俺は桃!!」
💗「よろしくね~!!」
💙「は、はぁ……」
桃、とかいう人は、倒れていた箒を持ってこちらへ振り返る。
💗「今日は月が綺麗だね~」
💙「そ、そうですね…?」
💗「ん?あんまり月とか好きじゃない感じ?」
そう言って、また顔を近づける。
💙「好きですよ…?猫がもっと可愛くなるので。」
そう言うと、何も言わずに僕の顔をじっと見つめてきた。
💙「…あの、?なんか付いてます?」
💗「…いや、特に?」
そう言うと、急に頬を舐めてきた
💙「ひゃぁッ!?」
💗「あっはは~w何その声~…w」
💗「女子かよ~…w」
💙「急に舐めてくる方が悪いでしょ!?」
右頬を抑えて、距離をとる
💗「ねぇ、急だけど、家に泊めてくれない?」
💙「はい!?」
もう何を言っているのかよく分からなかった。
家に泊める?
名前しか知らないし、急に右頬を舐めてくる不審者みたいなこの人を?
💙「いや、家は?…」
💗「あるわけないでしょ~?魔法使いなんだから。」
何だこの厨二病は…ッ
タダ飯をしようとしてんのか?
💗「あ、その顔、…信じてねぇな?」
💗「俺を厨二病かなんかだと思ってるわけだ?」
思ってる事を全部言われて、ドキッとする。
💗「はは、ッ…図星って顔…」
💗「んじゃあ、俺がこの箒で空を飛んだら分かってくれるか?」
そんな事が出来るのか?
もしかして、僕に“危ないよ!?分かったから…!!家においで!!”とでも言わせたいの?
💙「…本当に飛べるのなら今、ここで飛んでみてくださいよ。」
💗「おう!!」
持っていた箒に跨いで、見上げた。
💗「もし俺が魔法使いだって、街を歩いてるヤツらにバレたら、俺どうなるんだろうな?w」
ヘラヘラとしながら、こちらへ話しかける。
そんなの連れ去られるでしょうね…
💗「キャッツャ・シングドーリム!!」
訳の分からない事を言った瞬間だった。
桃さんは高く上に飛んで行った。
💙「……へっ、、…!!」
信じられなかった。
これは夢…なのか?
頬を思いっきり抓る。
痛みが走る。
夢なんかじゃなかった。
おかしい、こんなの…可笑しいよ…!!
混乱状態に至ってる間に桃さんは上から降りてきた。
💗「俺が魔法使いってこと、分かった?」
💙「は……ぇ…」
魔法使いは僕に近づいてくる。
近づいてきて、僕の顎を上にして、目が合うようにする。
💗「ね?分かったでしょ?」
💗「混乱状態に至ってる所悪いんだけどさ、俺も眠いし、今晩だけでもいいから泊めてくれない?」
それが、猫の魔法使いと僕の出会いだった───。