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「ぁ―…っ!!」
「はぁ、はぁ…はぁ!!」
僕は興奮で飛び起きた。
「あ…あはは…」
怪物になれたことが、なにより嬉しかった。
「あぁ、学校に行かなくちゃ」
いつもより早くに目覚めたから、
制服にもう着替えてしまった。
(…こんな気持ち、何年ぶりだろう…!!)
試しに、怪物の姿に成ってみた。
「あはは…本当に成れちゃうんだぁ…」
あの夢と一緒だ。
血液に染ったような緋色の目玉に、
黒いギザギザとした歯大きな獣の耳に、
大きな手、身長
「…よく見たら、専用の服みたいなのになるんだな。」
制服から真っ黒い不気味な服へと変わるようになっていた。
(これならバレない…)
「………さぁ、行くか。」
人間の姿に戻って、駅へ向かった。
ここから草薙まで50分
(アイツらが痛ぶられるまで…あと何分なんだろうな)
マスクの下からも分かるくらいに笑顔になってしまった。
ヘッドフォンをして、いつもの音楽を聞いた。
(音ゲーが趣味でよかったと思うよ…)
選曲はいつも音ゲーに収録されている曲を聴いている。
(…………………。)
僕は眠りについた。
48分後、アナウンスで僕は起きた。
「…っあー、ぁ…」
「草薙…もうすぐだな。」
僕は、アイツらを痛ぶる事を考えたら
笑みがこぼれそうになった。
(いやまて…まだ、まだぁ…)
まだだ!!まだ痛ぶってはいけない…………!!
もっと、もっと、
もっともっともっともっともっと!!
(憎しみを、
恨みを欲しがらなきゃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
いつか、思い切り笑ってやるんだ
そいつが悔しがる、
そいつが怯える前で思いっきり、
蔑んで、痛ぶって!!!!
(思いっきり、笑うんだ―!!)
草薙駅に着き、学園へ歩いていった。
「おはようございます!」
「おはよう、元気だねぇ」
交通員の人は驚いた顔をしていた、
毎日真っ暗い顔だったからなぁ…。
あはは、
おもしろいぃおもしろいぃ
歩く足がかるいよぉ
あはは、たのしいなぁたのしいなぁ
階段登るのもつらくないよぉ…。
あは、あは、あはは―…。
「…………………あは」
人は、僕みたいな奴を最低と呼ぶのだろう。
(別に呼ばれたって構わないさ、
僕は僕を曲げないんだ。)
(これ以上、犠牲になんかなったって
無駄なんだ)
マスクの下は、裂ける程に笑顔だった。
後に分かったことなのだが、
いじめの主犯はショーンという名前らしく
またその周りの取り巻きも共犯らしい。
(…ハーフだろうがなんだろうが関係ない)
「…喰うんだ」
僕は自分の机を見ながらにやけていた。
「…何言ってんの?咲さん」
「…?!」
びっくりして後ろを振り向いてしまった
「…なんだ、慶次か」
「なんだって…、咲さんの後ろは僕だよ…。」
「いやぁ、悪ぃな」
慶次は僕の友達だ。
新学期早々、自分の後ろの席で仲良くなった。
言ってしまえば、友達第1号みたいな感じ。
「なんかあったの?」
「……いや、特に。」
「そぅ…、あ、ねぇねぇ咲さぁん」
「ん?」
「この小説知ってる?」
「…あぁ、そこまでじゃないけどアニメになってるらしいな。」
「そうだね、自分はこの作品好きなんだよ。」
こいつはいいなぁ、幸せそうじゃないか。
生活に深く関わる問題がなさそうな、
ただの一般生徒だろう。
「………。」
やっぱり、奴に…
「なんだよ。」
僕は勇気を振り絞って窓の外の集団に言い放った。
「さ、咲さん、やめた方が」
「なんだよテメー」
「…」
早速ショーンが噛み付いてきた
「…いい加減、こういう行為をやめてもらいたいな。」
「勘違いしちゃってるのかなー???」
やはり頭が悪いのか、僕みたいな奴には
こうしとけば大丈夫とでも
習ったのかは知らないが
(…その幻から醒まさせてやるよ)
「何黙ってんだよ!!」
拳が振り上げられるも、
「?!う、うわぁなんだそりゃ?!」
「…………ははは…。」
今の僕の前では空振りも同然。
「さ、咲さん…なの?」
「な、なんだお前!!」
「…なにも、なにも変わらない。」
華は散り、火蓋が切って落とされた。