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りょちゃ!? なにしたの っ、!?
わぁぁぁぁ涼ちゃん…!!若井さんが大森さんと恋人同士であることを知りながら、酔って眠たそうな若井さんに大胆に仕掛ける涼ちゃん…!!!積極的な涼ちゃんとっても好きです… 夢と現実のはざまで、何をされているかよくわかっていない眠たそうな若井さんがめちゃくちゃに可愛いです……
はわゎ涼ちゃん攻めましたね…!こっちが照れちゃいました、
「……うん。つめたい。」
酔った俺は、いつにも増して、忙しくて、
もはや、家で顔を合わせるより、テレビや広告で見る方が多いような
恋人のことを想いながら、日本酒を一気に飲み干した。
終電を過ぎたころ、涼ちゃんがスマホでタクシーを呼んだ。
「若井・・・。大丈夫・・・?送っていくからね」
意地悪だった涼ちゃんも、流石に飲ませすぎたと思ったのか、
俺を引き上げると、優しく、腰を支えてくれた。
「えっ……あ、うん……」
身体がふらついて、自分の足じゃないみたいで。
涼ちゃんの腕に支えられて、タクシーに乗せられる。
座席に沈んで、熱い頬を窓にくっつけた。
「涼ちゃ……ありがとう、ね……」
「……若井だいじょぶ……?」
「眠くなってきた?」
涼ちゃんの声が、耳元で落ち着いて響く。
うなずこうとしたけど、首が動かなかった。
「ほら、こっち」
腕を引かれて、ふわりと肩に抱き寄せられる。
びくりと身体が跳ねた。けど、それ以上何もできなかった。
「ほら、もっと楽にしなよ」
タクシーの後部座席。
俺は、クラクラして、何が何だか、
よくわからなかった。
でも、抱きしめられた腕を振り払う力も、
もう残ってなかった。
「……僕、優しいってよく言われるんだけどなあ」
「……え、なに……?」
「……僕と一緒に住んだら、寂しいなんて思いさせないけどなあ」
「……涼ちゃん……?」
そう言ったときには、もう言葉の輪郭が曖昧だった。
涼ちゃんは「可愛いな」って笑ってて、
俺は、限界で、そのまま目を閉じた。
タクシーの揺れが心地よくて、寄りかかった肩があたたかくて、安心していた。
ほとんど夢の中で微睡んでいたその時。
首筋の後ろに、ふっと触れる感覚。
その直後、皮膚にぬるい唇が押し当てられる。
……え?
感覚が追いつかない。
夢……じゃない……?
首の後ろあたり。
「……ん……」
寝返りみたいに身体がかすかに動いたけど、唇はすぐに離れていった。
そのあとは、静かだった。
「……おやすみ」
声に反応する前に、眠気がまた全身を包んでいく。
深いところへ落ちていく途中で、
首の奥にじんわり熱だけが残っていた。
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