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アンヴィの仕業かー!!( ・᷄д・᷅ ) シオンちゃん思っきり誤解しちゃったけど、これからどうなるんだ…
───数時間前
高層ビルのエントランスを抜けると、ミアレの夜風が冷たく頰を撫でた。
「カラスバ君っ!お待たせ、今日もごめんね?」
ツバキはあざとい笑みを浮かべながら、カラスバの腕に自分の腕を絡め、わざとらしく胸を押しつけてきた。
甘ったるい香水の匂いが鼻を突く。
「はあ…あと数日だけやで」
「はーい!でもありがと〜。やっぱサビ組のボスが横にいるだけで効果的だったよ〜!」
カラスバは無表情のまま、ツバキを連れて車へと歩いた。
サビ組がまだ影も形もなかった頃──いわゆる「何でも屋」をやっていた頃、この女のボディガードを請け負ったことがある。
その縁で一時期、肉体関係にもなった。
だが、カラスバにツバキへの情など欠片もなかった。
ただ、利用できるものは利用する──それだけだった。
今こうして「彼氏のフリ」をしているのも、
サビ組結成時にツバキの父・ジェラルドから多額の援助を受けた借りがあるからだ。
最初はシオンがいるからと断ったが、ジェラルドに頭を下げられ、結局頷くしかなかった。
そしてこの女はその借りにつけ込んで図々しくカラスバの横に居座ろうとしている 。
シオンとは違い、彼女が見ているのはカラスバの地位と顔だけ。
浅はかで、哀れな女だ。
「カラスバ君、こうしてると昔を思い出すねっ」
「そんな前のこと忘れてもうたわ」
はよ終わらせて、シオンに会いたい。
あの甘くて柔らかい匂いで、この女の臭いを上書きしたい。
小さくて愛らしい唇で、キスするたび息が乱れる声で──
「(ってあかんあかん!また欲情してしもうた!! )」
そう思いながら、カラスバはツバキを車まで連れて行った。
車に乗る直前、ツバキが不貞腐れたように頰を膨らませた。
「……カラスバ君、彼女さんのこと考えてるでしょ」
「当たり前やろ」
「今は私の彼氏なんだよ? 少しくらい彼氏っぽいことしてよ」
「そういうのはせん約束や。それにこれもあと数日や。それが終わったらお前とは全部終わりや。
───勘違いすんなや」
低く圧し殺した声に、ツバキは一瞬バツの悪そうな顔をした。
しかし、次の瞬間──
「…カラスバ君」
名前を呼ばれたと思った瞬間、ネクタイを強く引っ張られ、顔が引き寄せられる。
柔らかい感触が唇に触れた。
二秒。
固まったカラスバは、ようやくそれがキスだと気づき、ツバキの胸を強く押し返した。
「っ!お前、ほんまいい加減にしろや」
「いいじゃん、減るもんじゃないでしょ?」
「チッ……とりあえず今日はここでおしまいや。ほな」
カラスバは舌打ちをし、車のドアを八つ当たり気味に強く閉め、 そのまま足早に夜の街へ消えていった
車内に残されたツバキは、足を組み、苛立たしげに舌打ちをした。
「……ほんと、カラスバ君変わっちゃったんだ」
もう取り繕う気もない、あからさまな拒絶。
本当に大切な女ができたから?
憎たらしい。
だからこそ、ちょっとだけ意地悪をしてやった。
紫髪の小さな女の子、あの子がカラスバの恋人だと知った瞬間から、ずっと。
少し遠くの路地裏でシオンの絶望した顔を見たとき、胸がすっと軽くなった。
「いーざま。」
私は何もかも持っていた。
お金も、地位も、何もかも。
だから、男に困ったことなど一度もない。
狙った男はみんな、私を欲しがった。
それなのに、カラスバ君は出会った頃から私に興味などなかった。
それなのに……それなのに、あの男が好きになった女が、あれ?
私より幼く見える女。
私より背が低くて、胸も貧相なただのしがないパン屋の店員。
顔はまあ可愛いけど、カラスバ君が好きそうな美人系とは真逆の可愛い系。
#BL
小鳥遊
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太陽️☀️
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「あの子にあって、何が私にないの……ッ!」
何が違う?
誰が見ても、私の方が上のはずなのに。
カラスバ君だけがあの女を選んだ。
「わあ、荒れてんね〜……綺麗な顔が台無しですよ〜?」
不意に車内に男の声が響いた。
ツバキが顔を上げると、アンヴィが隣のシートに滑り込んでいた。
彼は優しくツバキの頰を撫で、甘く微笑む。
「…はぁ、あの人全然見向きしてくれないけど」
「大丈夫ですよ。あの子がキスした所を見たのなら、あと少しです。 すぐにあの二人は仲違いしますから」
アンヴィはそう言いながら、ツバキに笑いかけた。
ツバキは「ほんとかしら」と突っぱねたあと、彼の胸に体を預け、人差し指で胸元をなぞる。
「むしゃくしゃするから、今日の夜付き合って」
「えー、オレあの男の代わりじゃーん」
そう言いながらも、アンヴィはツバキの手を掴み、深く唇を重ねた。
ツバキの体が、すぐに熱を帯びる。
アンヴィはキスをしながら、心の中で冷たく笑った。
「(…シオンちゃんの方が可愛いに決まってるじゃん)」
この女は、カラスバに唯一強く出られる立場のくせに
すぐに感情的になる馬鹿な女だ。
だからこそ、利用しやすい。
アンヴィは心の中で繰り返す。
とことん利用させてもらうよ。
このキツい香水の匂いも、 あと少しだけ我慢だ。
もう少ししたらシオンちゃんの甘く柔らかい匂いも俺の手の中に───