コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
これは俺の過去の話。
母「らだお、ラディ、しっかりするのよ」
らだお「はい、お母様」
ラディ「はいっ」
俺は裕福な家に生まれた。
母は外科医で、父は最も偉い医院長だった。
この街は犯罪が耐えない。
もちろん怪我をする人も多い。
俺の親は優秀だった。
助けた人は必ず頭を下げ涙を流しながらお礼を言う。
その風景を何度も見てきた。
今日は大事な会議らしい。
俺と弟は将来、有望な医者になると言われていた。
だからこの会議に参加するようになっていたのだ。
俺は今中学1年、そして弟は小学4年だった。
まだ幼いと言ってもいいぐらいの年齢でも大事な会議に参加させられる。
ガチャ、
父「では会議を始める」
父が部屋に入り会議が始まる。
いい姿勢で聞く。
そう教えられてきたから。
話されても到底理解のできない話。
それを長時間聞かされるのはさすがに辛い。
しかも俺より年齢の低い弟がそれを我慢出来るはずもなく少し姿勢が悪くなる。
母「ラディ、姿勢」
ラディ「ッ!!はい、」
小声でそう喋っているのがきこえる。
母はこう見えて優しい。
父や人の前では気張っているが俺や弟の前では雰囲気がガラッと代わり優しい母になる。
俺は母親が好きだ。
でも父親は嫌いだ。
父は短気だった。
親がどちらも医者だからだろうか、昔から全てが完璧でないと怒られることが多々あった。
父「もっといい点を取れないのか?!」
らだお「ごめんなさい、」
父「次悪い点をとったら覚えておけ 」
らだお「はい、」
こんな感じでいつもプレッシャーに押しつぶされそうな毎日を送っていた。
俺は必死に勉強した。
そのおかげかテストでは毎回1位をとることができた。
完璧であった。
でも友達はいなかった。
勉強ばっかしてるせいで友達というものはできたことがなかった。
俺があまりに話さないし勉強してるせいか、いじめのようなものを受けることも多々あった。
中学に入って2ヶ月ぐらいが経った頃だった。
もうグループができていてみんな仲良の良いクラス。
頭が良いせいか、そこら辺は友達と言う関係を持たなくてもだいたいわかっていた。
でも一軍らしき生徒が空気を悪くしていた。
MOB「おい、誰かおもろいこといえよ笑」
「…」
いつもこんな感じでクラスの皆にいう。
当然言葉を返すことも出来ず皆いつも静かにしていた。
ガンッ
MOB「つまんねぇなぁ?」
「…」
いつもはこれで終わり。
すぐにクラスからでていき、他のクラスの人とつるむ。
MOB「おい、お前なんか言えよ、」
そう言われたのは俺だった。
今日は他クラスの人が休みなのかいつもと違った。
らだお「…いやです、」
MOB「はっ笑、お前いい度胸してんなぁ?」
らだお「…」
そっからはもう大変だった。
俺は言い返すだけ無駄だと思い何も言わないでいると机を蹴りなんか言えと怒鳴ってくる。
俺はつまらないとしか思えなかった。
それからだった。
たまに自分の所有物が無くなることが多くなった。
多分あの一軍がやってるのだろう。
俺は先生にも言わなかったし相談もしなかった。
先生に言っても何もしてはくれないことは分かっていたから。
俺は身分を隠している。
もしここで俺がこの街の医院長の息子だと伝えたらどうなるだろうか。
そんなことを考えている自分にイラついた。
父の力を借りるのは嫌だ。
俺は無視をすることにした。
そんな俺をみてイラついたのか事は大きくなっていた。
俺が少し遅れて学校に来た時、
ガラガラガラ
らだお「…は?、なにこれ」
教室に入ると黒板に俺の悪口が書かれていた。
クラスメイトのほとんどが教室にいるのに誰も何もしなかった。
まぁ何もしないって言うかできなかったんだろうな。
俺はチョークで強く書かれた文字をけす。
字体を見ると多分3人ぐらいだろう、わかりやすい。
本当に低脳がやることはつまらない。
同情する。
こんなことしかできないことを。
俺はどんないじめを受けても何も言わず無言で無視をし続けた。
それを見た一軍はつまらなくなったのか目に見えるいじめというものではなく、俺をまるで最初からいなかったみたいに何もしてこなくなった。
俺としてはそれが嬉しかった。
でもやっぱり学校はつまらないとこだと改めて感じた。
家に帰ると習い事をしなければならない。
金があるせいか習い事を何個もやらされた。
ヴァイオリン。
ピアノ。
テニス。
習字。
家庭での先生がついた勉強。
これだけじゃない。
小学生の頃は他の習い事だってやってた。
母「らだお?今日はヴァイオリンの日よ」
らだお「はい、お母様」
母「そんなかしこまらなくていいのよ」
らだお「うん、お母さん、」
母「ふふ笑可愛いわね笑」
らだお「へへ笑」
こんな感じで母は優しかった。
他の習い事に比べてヴァイオリンは好きだった。
元々音楽が好きな方で自分で音を奏でることが好きで楽しかった。
ピアノも同じく好きだった。
音は光を持たせてくれた。
唯一の楽しみだった。
つまらない人生。
俺はずっとこの日々を送っていた。
この後に起こる悲劇を知らずに。
To be continued…