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俺の弟は俺と違い天才だった。
勉強も習い事も友達も全部上手く立ち回っていた。
まだ小学生の弟でも俺より上手くやっていた。
ラディ「お父様、見てください、また100点取れました」
父「当たり前だ、そのまま維持しろ」
ラディ「はい、お父様」
ラディの褒めて欲しいと言う行動に対し父は褒めることも無く当たり前であると言ってくる。
ラディは毎日何時間も勉強している俺と違い、数時間 勉強すれば俺よりいい点数を取った。
毎回100点を余裕でとる弟。
俺は必死に勉強して100点を取った。
ラディ「お兄様ここ分からないんだけど、」
ラディは俺のところに来て宿題を見せてきた。
そんなの少し考えればわかる問題。
らだお「、ラディ、俺に気を使うな、お前はもっと賢い」
俺はそんなことしか返せなかった。
妬ましかったのだろう。
何もかもすぐにできてしまう弟が。
ラディ「はい、お兄様…」
ラディは俺の部屋を出ていく。
いつもラディは俺の事をお兄様と呼ぶ。
俺は別に兄貴でいいと言ったが父がうるさかった。
そしてラディも俺に気を使いお兄様なんて言葉を使う。
俺はそんな家庭が嫌いだった。
全てが上手くいくラディが苦手だった。
友達もたくさんいた。
コミュ力も高く、頭もいい、運動神経もよく、ハイスペック。
多少変なことをされても愛想の良さで上手く立ち回っていた。
俺にはそれが出来なかった。
そのうち俺は父から暴力を振るわれるようになった。
弟よりテストの点数が低く、頭の悪い俺はもっと兄らしくしろなどと言われながら暴力を振るわれた。
母はそれを止める。
それでも父は止まらなかった。
母はそんな父を見てだんだん精神をやられていった。
母「らだお、ごめんね、お母さん、守れなくてごめんね、」
母は俺の傷を撫でながら言う。
らだお「大丈夫だよ…」
俺は大丈夫しか言うことが出来なかった。
母は入院することになった。
妥当な判断だと俺は思った。
これ以上この家にいたら多分母は死ぬだろう。
ラディもラディで父からのプレッシャーに押しつぶられそうになっていた。
それでもラディは頑張っていた。
多分ラディは俺が父から暴力を振られていることを知らない。
俺はいつもラディが習い事に行ってる時や寝ている時に暴力を振るわれる。
それでいいのだろうきっと。
まだ小学生のラディには辛すぎる現実だ。
でもいいこともあった。
俺とラディは前より仲良くなった。
父という2人とも同じ敵ができたからだろうか。
前より話す時間が長くなった。
ラディが俺の事を兄貴と呼ぶ機会も増えた。
ラディ「兄貴!!今日お父様いないから少し遊ばない?」
ある日そんなことを言われた。
俺は返事に答える。
らだお「少しだけなら」
ラディ「やった!じゃあ行こ!」
そう言って俺の手を引っ張り連れていく。
連れていかれた場所は誰もいない場所だった。
らだお「誰もいない、」
ラディ「でしょ?!いい場所だよね」
らだお「…うん」
ラディは俺に何して遊ぶかいってきた。
ラディ「ねぇ格闘技?とかしない?」
らだお「格闘技…?」
ラディ「護身術として必要でしょ」
らだお「確かに、」
そんなことを話しながら俺たちは格闘技というか、調べながら技を練習した。
ラディ「兄貴、」
らだお「ん?」
ラディ「いつかさ、ーーーーーーーーー」
らだお「それはありだね笑」
ラディ「いつかね笑」
たわいもない話。
久しぶりに体を動かすせいか、それともラディと遊んでいるからなのか、楽しかった。
俺たちは父がいない日は必ずと言っていいほど遊ぶようになって行った。
前より笑顔でいる時間が長くなった。
テストも頑張って前よりかはいい点数を取れるようになって行った。
それでも父は暴力を振るうのをやめなかった。
時間が経っても消えないあざ。
消えても消えても増えていく。
俺はラディを弟を生きがいにして何とか生きることにした。
それから1年が経った。
だんだんと慣れていく生活。
俺は恐怖すら感じなかった。
To be continued…