テラーノベル
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夏休みに入り、この週末は塾も休みという8月の上旬の金曜の夜、晶子のスマホにカンナからチャットアプリのメッセージが入っていた。
文章を読んだ晶子は思わず「ええ?」と驚きの声を上げた。二日後の日曜の午後、晶子の学校の制服を貸してくれというのだ。
しばらく首をひねった後、晶子は通話ボタンをクリックしてカンナに電話をかけた。すぐにカンナが出たが、カンナの声の後ろから野球中継らしい大音量のテレビの音声が響いてよく聞き取れなかった。
「晶子、ちょっと待ってくれ。表に出るから」
足音とドアが開閉する音がして、やや静かになり、カンナの返事が聞こえて来た。
「わりい、わりい、うちの父ちゃん、野球の試合だと音量マックスにすんだよ。もううるさくてしょうがねえ、っていつも言ってんのに」
晶子はさっきのカンナからのメッセージを見ながら、カンナに訊く。
「あたしの制服貸して欲しいって、何に使うの?」
「明後日の日曜、渋谷で撮影会があってさ。あたいモデル頼まれてんだ」
「制服ならカンナだって持ってるでしょ?」
「いや、晶子の学校の制服、人気なんだよな。で、あたいがそれ着て……」
晶子はたまりかねて声を高めた。
「ちょっとカンナ! それって何かいかがわしい話じゃないの?」
だがカンナは気楽な口調で答える。
「ああ、それは心配ねえよ。イベント主は女の人だし、参加者は会員制の信用のある人たちばかりって言ってるから」
「ううん、何か心配だなあ」
「そう言わずに力貸してくれよ。単発のバイトにしちゃ、すげえ給料いいんだよ。晶子に迷惑はかけないからさ」
「本当? それでどうすればいいの」
「日曜の午後2時までに制服持ってスタジオまで来てくれよ。地図は後でメールで送るからさ」
「まあ、しょうがないなあ。でも絶対あたしの事はばれないようにしてよ」
「分かってるって。じゃあ、頼むな」
通話が切れてスマホを机の上に置き、晶子はそのままベッドに仰向けに寝転がった。天井を見つめながら、晶子はつぶやく。
「写真撮影のモデルかあ。いいなあ、カンナはそういう事出来て」
宇津Q
2,015
#いじめ
るあ🩵🦊🌙
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コメント
1件
カンナからの突然の「制服貸して♡」に「ええ?」ってなる晶子、めっちゃ共感😳 渋谷で撮影会のモデルって話、ちょっと心配になるけど、カンナの軽いノリの「わりいわりい」で2人の仲良し感が伝わってくるのがいいな💕 最後の「いいなあ、カンナはそういう事出来て」ってぽつりと漏らす晶子がエモすぎ…自分にないものへの憧れがにじんでてキュンとしちゃった😭✨ 次どうなるのか気になる!