テラーノベル
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「Elseif」
「なあに?Playerさん」
「これ、あげる」
DummyはElseifにチョコレートが挟まれたマゼンタ色のマカロンを渡した。
Elseifはマカロンを見るなりすぐに口に含んだ。
独特な食感と甘い味が頭を幸福感で満たす。
「まだあるの?」
Elseifは少し楽しみなようで。
「バームクーヘンと金平糖も」
「甘いものばかりだね」
「食べて」
ピンク色の生地にチョコレートを垂らしたバームクーヘン、マゼンタとブラックの金平糖。
同じような色合いはこの世界にピッタリだった。
「もうお腹いっぱいだよ」
「だめ、食べて」
少し顔を顰める彼の顔を掴んでフォークで刺したバームクーヘンを無理やり食べさせる。
彼の口から唾液が少し垂れる。彼の瞑られた瞳から嫌悪感が読み取れた。
手を離すと、彼はもぐもぐと頬張ったあと、ゆっくりと飲み込んだ。
彼の喉に通っていくバームクーヘンが羨ましい。
「酷い人だね、無理やり食べさせなくたっていいじゃないか」
「喉が渇いてきたんじゃない?飲み物もあるよ」
「無視か、ほんとに呆れる」
いちごとチョコレートの飲み物にElseifはため息をつく。
「なんで同じようなものばかり出すの?」
「君にピッタリだから」
「はあ…」
うんざりしたように頬杖をついてお菓子と飲み物に手をつけないElseif。
「全部僕が作ったんだよ」
「それはすごいね でも、もううんざりしてるんだ。もうこんなことはしないで欲しいね」
そっぽを向くElseifが嫌で嫌で、フォークを机に突き立てた。
物凄い音に彼は驚いてビクッと震える。
脆いフォークはそのまま折れて壊れてしまった。
「頭おかしいんじゃないの」
Elseifは少し震えていた。
「僕は君に作ったものを食べてもらいたいだけだよ」
「そっか…わかったよ、食べるから」
Elseifは金平糖をひとつずつ噛み砕いて飲み込んでいく、用意した飲み物もゆっくりと喉に通して味わっていた。
「食べ終わったよ」
完食してぐったりしている彼に拍手を送る。
嬉しいな、すごく。
「おめでとう さすがElseifだよ」
僕が作ったものを全て食べてくれた。
「もう話しかけないでくれ」
「ふふ、最後に一つだけ」
「…?」
僕は嬉しい感情を抑えられなくて微笑んだ。
「僕の「血液」が入ったお菓子、ぜんぶ食べてくれてありがとう」
途端に彼の顔が真っ青になる。体も硬直している。
そうだよ、その反応が見たかったんだ。
堪えられずに笑ってしまう。
やっと彼の体内で一緒になれる。
あんなに食べたのだから、絶対に交われるはず。
痛かったし苦しかったけれど、もうそんなことどうでもいい。
「愛してるよElseif」
「………………」
俯く彼を僕はただ見つめるだけだった。
コメント
3件
あら歪んだ愛でふわね…
ごちそうさまでした😋 すごい可愛いですガチで最高です可愛い超可愛い若干怯えてるえるせいふさんぐう可愛い大好き kaleidoscopeの小説とか供給マジで少なかったんで助かります😭🫂🙏🙏🙏🙏🫂❤️