テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「すき」
Dummyは表情を変えずにElseifの頬を撫でてそう呟いた。
「…」
Elseifは何も言わずにただ頬杖をついているだけで、そこにDummyと同等の愛は感じられなかった。
「だいすき」
Dummyは無色の3本に束ねた薔薇を差し出した。
「色がないなんてつまらない人だね」
Elseifは気に入らなかったようで、空を眺めて退屈そうにしていた。
力を込めて握った薔薇は辛そうに俯いていた。
「愛してる」
Dummyはピンク色に輝く星型のダイアモンドの指輪をプレゼントした。
「……ふーん」
Elseifは指輪をつけると、静かに微笑んだ。
「気持ち悪い人」
空間が静まり返った気がした。
彼の一言で、全てが壊れた気がした。
「……」
途端に息苦しくなって、溢れ出る感情を抑えきれなくなった。
気づけばDummyはElseifの首を掴んでキスをして、体を重ねていた。
血が出るほどに乱暴で強欲な行為は、Elseifを苦しめるだけなのに。
なのに、涙を出して謝り続けるElseifが、Dummyにはすごく愛おしく感じれた。
「愛してるよ」
Dummyは不格好に腰を振りながらそう呟く。
Elseifは苦しいながらも快感はあるようで、喘ぎ声混じりに抵抗する。
「Elseif」
名前を呼ぶと、Elseifはこちらに目を向ける。
閉ざされた瞳からは、憤怒と色欲が読み取れた。
また唇を奪って舌を絡ませる。
吐息と愛が混じり合う感覚が癖になって、体を密着させる。
もっともっと、と求めるたびにElseifは苦しそうに抵抗する。
唇が離れると、ElseifはDummyの腕を掴んで突き放そうとする。
(どうしてElseifは僕の愛を受け入れてくれないの)
そう問いたくて口を開くけれど、声は出せなくて。
Elseifの口とDummyの口から糸を引く唾液からはたしかに愛が感じれたのに。
どうしてすぐにその愛をぐちゃぐちゃにして、なかったことにするのだろう。
そんな疑問にはElseifは答えてくれそうにはなかった。
「愛して」
たった3文字の言葉がとても重い意味を持つことを、きっとElseifはまだ知らない。
コメント
4件
超愛重いDummy可愛いしその愛をことごとく突き放すえるせいふさん好きすぎるあああぇっちですね。ぇっちです。
エッ、エッ!?!?エロすぎ…る、!!!!!!!!愛のある無理矢理は、とんでもエロすぎる…!!素敵な作品すぎる