テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「照、照見て、すごいよ!」
阿部が窓に張り付いて、夜の街並みを見下ろしながら声を上げた。
日課のトレーニングとシャワーを終えた岩本も、タオルで頭を拭きながら外の景色を見下ろす。
「んー、ほんとだ」
「反応うすっ」
「そんなことないって」
レトロとモダンが共生する都市、バンコクの夜景は目にも賑やかで圧巻だった。
何台もの車が連なっている間を縫うように、たくさんのバイクが走っていく。大小様々なヘッドライトがそこら中でキラキラ光って、まるで宝石箱をひっくり返したみたいだ。
外の茹だるような熱気にもしばらくすると慣れたし、部屋の中はこれでもかと言うくらい冷房がきいていて蒸すこともなかった。聞けばタイは今一番過ごしやすい、乾季の時期らしい。
今の日本は1年で一番寒い時だったから、寒がりの阿部からしたらできればこのまま帰りたくないくらいだった。
「飲む?」
「あ、ありがと」
岩本から渡されたミネラルウォーターを受け取って口をつける。思いの外喉が渇いていたみたいで、半分ほど一気に飲んでしまった。
暑くないけど、熱い。そんな感じだ。
「…ん」
飽きもせず窓越しに外を眺めていたら、後ろから首筋に口付けられて阿部は小さく声を上げた。
「外ばっか見てないでよ」
と、寂しそうな岩本。首に息がかかってくすぐったい。肩を竦めたら、そのままぎゅっと抱き締められた。
「照、元気過ぎる」
「伊達にトレーニングしてないよ?」
「そこドヤるんだ」
可愛くて、可笑しい。
ひとしきり笑ってから、岩本の腕の中でくるりと身体を反転させる。向かい合う姿勢になると、すぐさま唇が奪われた。
やっぱり、暑くないのに、どうしようもなく、熱い。
息も継げないくらいのキスを何度も何度も交わしながら抱き上げられると、阿部はキラキラ光る夜景の中に浮かんでいるような気分になった。
コメント
6件
こーじのイベントっ!!!いいなぁ🥹 楽しんできてねkinoさんー!! 今日のショートほんとに尊すぎて倒れました🤦🏻♀️💛💚
💛💚最近色々やってくれてて熱いところに今日のショートで私もキャーキャーしてました🤭 バンコクの夜景が体感してる人にしか書けない描写でいいなぁ〜と思ってしまいました😊 イベント、楽しんでください!
明日のこーじくんのイベントを見に、タイにきてます!な、テンションと新曲ショート動画の💛💚にきゃーきゃーなったので、タイのいわあべワンシーンを…🥹 て、そんなにタイしてませんが😂