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「翔太!待って!逃げないでよ!」
少し大きな声、そう叫ぶと
翔太は驚いた様に足を止めた
「あの…俺、邪魔してごめん」
俺の声に驚いたせいか…
怒られるのではと感じた翔太が、謝って来た
「どうして翔太は謝るの?俺は、凄く嬉しかったのに…」
やっと、翔太の気持ちが聞けた様で…
諦めなくて良かったと、心から思った
俺の想い人は今も変わらず、目の前に居る…
「だって、佐久間の告白…邪魔しちゃったし…」
「それは、あの後ちゃんと…俺が断って来た」
誤解されない様に、全て包み隠さず伝える事にした
俺の言葉に、翔太が驚いて顔を上げ
「断ったって…何で…」
本当に【分からない…】という顔をした、渡辺に苦笑いして
「俺には、気になる相手が他に居るし」
ハッキリ翔太に、そう告げた
「気になる相手?」
「うん。そう…」
俺は腕を引き…ギュッと翔太を抱き締めた
「あの…だって、阿部ちゃん…。あの後、LINEの返事なかったし…」
ついに来たかと、覚悟を決めて…
阿部は渡辺と向き合った
「ごめん…あれは…」
それは渡辺に恋人として愛されていると、自信を持たせてあげられなかった自分自身の不甲斐なさ
そして…今、引き止めても再び同じ事を繰り返してしまいそうで…
今まで一生懸命、勉強して来たはずなのに
1番大事な時に、伝えたい言葉が整理出来ずに出て来ない…
そんな焦りを抱えてまま…今まで、ずっと悩んでいた
「………」
けれど、やっと気がついた…
どんなに小難しい言葉よりも
たった5文字の自分の気持ち…
阿部がスマホを取り出して
渡辺に、あの日送れなかったLINEを送る
それは嘘偽りの無い、今の自分の正直な気持ち…
最初から、別れるつもりは…全く無いが
やっと送れて覚悟も決まる
例え自信が無いと言われても、俺が好きな事が…翔太の自信となる様に
いつか、胸を張って笑える日まで…
俺は、翔太にLINEを見ろと合図を送り…それを開いた翔太が驚いている
『俺は、翔太を【愛してる】』
今日が勝負の第一歩
負ける事など、あり得ない…
俺は、スマホを見たまま固まっている…翔太の頬にキスをして
「これからも、よろしくね///」
そう耳元で囁いた
【完】