「ごめん、徹。さよなら」
気を抜いたら溢れ出てきそうな涙を必死に堪えながらそう、彼に言った。
彼は呆然とした顔で私のことを見つめていて、、
「な、んで?」
悲しそうに顔を歪ませる彼。
そんな彼の顔を見てられず、私は走ってその場を去った。
徹に一方的に別れを告げてから2週間。
最初の方こそLINEや電話が鳴り止まなかったけれど、ずっと無視してたらいつの間にかそれも無くなってた。
それがなんだか少し寂しいとか思っちゃったり…はは。気持ち悪いな、私。
徹とはクラスも違うから接点が無い。
それにもうすぐ受験の季節。自分の事で精一杯だ。
だからか、本当にあの日から関わる事がなくて。
廊下ですれ違う事はあってもお互いに話しかけはしない。
元カレ元カノという関係だからおかしくはない。けれど、それがとてつもなく辛く、悲しく感じた。
あの日から世界に色が無くなった。
自分の世界から色を奪ったのは自分自身だった。
でも、後悔なんかしてない。いや、するもんか。
これが、徹の為なんだから。私の気持ちなんてどうでもいいの。ただ、とにかく、徹の邪魔だけはしたくなかった。
…………いや、ちょっとだけ、、、後悔なんてしてないけど、、、寂しいかな。
いつも左隣にあったはずの温もりはもう無くて。
私だけに向けてくれたあの爽やかに笑う顔や照れた顔、イタズラ顔はもう私のものじゃないと思うと、とてつもなく胸が苦しくて。
でも、この気持ちにもそろそろケリをつけなきゃ。
シンと静まる自室の中で静かに決意し、メールアプリを開いた。
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