楽屋のソファに、俺はぐったりと体を預けていた。
「は〜疲れた〜」
その隣に座った照が、当たり前のように俺の頭を引き寄せ、自分の肩に乗せる。
「ほら、寝るならこっち」
「ん〜、ありがと……」
甘えたように俺がもたれかかると、照は自然に俺の髪を指で梳きながら、少し微笑んだ。
「……ふっか、最近また髪伸びた?」
「うん?そうか?」
「切るなら、もうちょい後ろ軽くしたほうがいいんじゃね?」
そんな他愛もない会話を交わしながら、照が俺の耳元にそっと唇を寄せる。
「……今日、うち来る?」
低く囁かれた声に、心臓が跳ねた。
「……っ、バカ、楽屋でそんなこと言うなよ……」
顔を赤くしながら、小声で照を軽く叩く。
「別にいいだろ。もう、メンバーにも報告済みなんだから」
「いや、そうだけどさ……」
「何ニヤついてんの?」
「……ニヤついてねーし」
「いや、してる」
「……照がそういうこと言うからだろ」
そんな甘いやりとりをしていると――
「おつかれ〜!!」
突然、ドアが勢いよく開かれた。
「……ん?」
ハッとして振り向くと、そこには佐久間、康二、ラウールの三人が立っていた。
「……お邪魔しました!!!」
康二が即座にドアを閉めようとするが、佐久間が止める。
「いやいや、逆に閉めんなよ!? 何この雰囲気!? また俺たちの楽屋でイチャついてんの!?」
「……いや、別に普通に話してただけだし」
冷静を装って言うが、肩に乗せていた頭を慌てて離そうとしている時点で説得力がない。
「普通に話してたらそんな距離感にならないんだよなぁ〜?」
ラウが腕を組みながらじとーっと俺らを見つめる。
「てゆーか、照にぃ、今なんか耳元で囁いとったやんな? なに? なんて言うたん??」
康二から興味津々で詰め寄られ、真っ赤な顔で手を振る。
「な、何も言われてねーし!」
「いや、ふっかのその顔、絶対なんか言われてた顔なんだよなぁ……」
佐久間がニヤニヤしながら覗き込む。
「もう、いいだろ」
照が呆れたようにため息をつき、腕を組む。
「てか、お前らもそろそろ慣れろよ」
「いやいや、知ってるのと実際に目の前で見るのは別だから!」
佐久間がジタバタと騒ぐ。
「しかも、ふっかさんがあんなに素直に甘えてんの、なんか……レアじゃね?」
ラウの言葉に、他の二人も「確かに」と納得したように頷く。
「それな。なんかこう……照の前では、ふっかちょっと可愛いんだよな……」
「……やめろやめろ、これ以上言うな!」
耳まで赤くしながら、ぶんぶんと手を振る。
そんな俺の横で、照が微かに笑っていた。
「まぁ、どうせお前らがどう騒ごうが、俺らは変わんねぇけど」
「そういうとこだよ!!!」
佐久間のツッコミが響く中、俺は「もう勘弁してくれ……」とため息をついたのだった。
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ある日の収録後、楽屋でふっかと何気なく話していると、舘さんがふいに声をかけてきた。
「なんか、二人とも前より穏やかになったな」
「そう?」ふっかが笑いながら俺を見る。
「隠さなくていいって、やっぱ楽だわ」と俺は頷く。
翔太がいたずらっぽく笑いながら「でも、だからって人前でイチャイチャすんなよ?」と茶化すと、佐久間も「もう何回見たことか!」と大げさにため息をついた。
「いやいや、そこまでしてねぇし!」とふっかが否定するも、俺は小さく笑いながら「してるかもな」と囁く。
そんな日常が、今では当たり前になった。
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その夜、仕事終わりの帰り道。
「これからも、よろしくな」
ふっかがぽつりと呟いた。
「……おう。ふっかとはずっと一緒だ」
夜風が心地よく二人を包む。
秘密の関係を乗り越えた今、もう何も怖くなかった。
二人で歩む未来が、そこにあった。
—END—
コメント
7件
ふっかのよさ、わかった気がする。素敵な作品をありがとうございました😊
はじめまして。 ひーくん大好きなので 💛💜話うれしいです! 二人の気持ちが同じでよかった💖 さっくんかわいい
よかった☺️2人が幸せになってくれて💛💜