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凛が横で笑う。
「意外だね、引くんだ」
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「引いてねぇ」
蒼真は低く言った。
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そして僕を見る。
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「条件だ」
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「……なに?」
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「そいつを預ける」
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周りがざわつく。
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「は!?」
「おい正気か!?」
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でも蒼真は無視した。
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「その代わり」
一歩近づく。
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「毎日、無事か確認する」
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「……は?」
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「拒否権はない」
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(それ、ほぼ監視じゃん)
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凛がくすっと笑う。
「甘いなぁ」
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「うるせぇ」
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蒼真の視線は、ずっとこっち。
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「……どうする」
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僕は少しだけ考えて——
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「いいよ」
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即答。
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「ただし」
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蒼真が眉を動かす。
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「この子が嫌がったら会わせない」
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「……」
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数秒の沈黙。
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「……チッ」
舌打ち。
でも——
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「わかった」
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(通った)
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そのとき。
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「……つまんないなぁ」
凛が大きくため息をついた。
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「じゃあ僕、別の方法使うね」
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「……は?」
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凛はにっこり笑った。
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「だってさ」
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次の言葉で、空気が凍る。
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「その子、“器”でしょ?」
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「……っ!?」
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蒼真の目が一瞬で鋭くなる。
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「お前……」
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「バレてないと思った?」
凛は楽しそうに続ける。
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「その魔力量、ただの弟じゃない」
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「……」
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「壊れたらどうなるのかな」
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その瞬間——
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「やめろ!!」
僕は反射的に叫んだ。
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赤ちゃんオオカミが震える。