テラーノベル
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「……っ、こわ……」
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(クソ……)
完全にトラウマ刺激してる。
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そのとき。
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「……帰るぞ」
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蒼真が言った。
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「?」
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「今日はここまでだ」
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凛が不満そうに眉をひそめる。
「えー?」
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「これ以上やると」
蒼真の声が低くなる。
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「本気で殺す」
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一瞬、静寂。
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そして凛は——
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「はいはい」
軽く手を上げた。
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「じゃあ今日は引くよ」
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でも。
最後に僕を見る。
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「君」
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「その子」
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「ちゃんと守れる?」
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「……守る」
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即答。
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凛は満足そうに笑った。
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「ならいいや」
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次の瞬間。
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気配が消えた。
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静寂。
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蒼真も、背を向ける。
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「……また来る」
それだけ言って。
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「……」
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部屋に残ったのは、
僕と——
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「……すぅ……」
安心しきって眠る、小さな存在。
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僕はそっと頭を撫でた。
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(器、か……)
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ただの迷子じゃない。
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「……それでも」
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小さく呟く。
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「関係ない」
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ぎゅっと抱きしめた。
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「僕が守る」
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そのとき。
小さな手が、服を掴んだまま——
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「……だいすき……」
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完全に、懐いた。
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(もう遅いよ)
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僕は少しだけ笑った。
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「絶対、離さない」
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