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〈おどろく視点〉
「目覚めたのだ!?」
私は思わず大声を出す。
噂の紅森べるに血を吸われた被害者と聞いて、私は今まで気が気じゃ無かった。
「うん。まだ貧血ぽいけど、ひとまずは大丈夫だと思う。」
「良かったのだ…」
ほっとする私とは裏腹に、凸さんは少し暗い顔をしている。
「?どうしたのだ?」
「………いや、なんでもない。」
?変な凸さん…
〈さぁーもん視点〉
例の人、大丈夫かな…
俺は食料が入った袋を抱えながら、拠点へと歩いていた。
昨日スマホから、噂の紅森べるに襲われたという人を凸さんが見つけたらしい。
俺は政府に見つからないように動いていたので、結局帰るのが昼過ぎになってしまった。
まあ、このぐらいなら拠点にある分も含めて、一ヶ月は持つだろうし…
「ただいま…」
周りに誰も居ないのを確認してから、静かに拠点に入る。
…あれ?いない?
ふと見れば、テーブルの上に紙が置いてあった。
[ちょっと出かけてくるのだ! おどろく、凸もり]
出かける…何かあったのかな。
政府の敵である俺たちは、うかつに外を回るのは控えている。
食料とか、情報収集とか…そのぐらいじゃないと外に出ない。
…まあ、気にしててもしょうがないか、食料倉庫に…
ガチャ
医務室から、ピンク髪の俺と同じぐらいの女の子が出てきた。
「あ…」
「…えっと…」
多分、例の人…だよね?
「…俺、左門怜人って言います…odmnのメンバーで」
「あ、聞いてます…八谷奈々です。」
「…とりあえずお互いさ、敬語は無しにしない?」
「…うん。」
俺は奈々に、ソファに座るように促す。
「体調は…大丈夫?」
俺は麦茶の入ったコップを、奈々の前に置く。
「うん、まあ…まだ怠い感じはするけど、大分マシになってきたかな…」
奈々の顔を見ると、まだ少し顔が青白い。無理をしているようにも見えた。