〔 五条side 〕
彼奴を追い出してから1週間ぐらいの時だったかな、
彼奴を忘れた日はなかった。
任務中でも、重大な会議でも。
頭が思うように動かない時。
体が思うように動かない時もあった。
家入 「 …….!
なんだ五条、ここに居たのか。伊地知が探してたぞ、 」
五条 「 …….そう。 」
緊急な任務かなんかか。
やる気でないな。
家入 「 元気ないな。奥さんのことか? 」
五条 「 …….知ってるんだ、 」
家入 「 噂程度ならな。 」
噂…….ねぇ…..。
どうせ禪院家か上層部が流してるんでしょうね、
めんどくせぇな、
家入 「 それはそうとなんでここに居るんだ? 」
五条 「 気分転換かな、 」
家入 「 そうか…….。 」
家入 「 …….ここにきても、お前が治したい傷は私でも治らないと思うぞ 」
硝子にはお見通しか、
家入 「 そんな落ち込むなら、なんで追い出したんだ。
お前なら追い出さなくとも、奥さんを守れたんじゃないか? 」
五条 「 親父だけならね。 」
僕だって、そうしたいならそうしたさ。
五条 「 僕が危ないと思ってるのは禪院家だよ。
彼奴が通ってた学校には禪院紫乃がいたからね、
なにかあってからじゃ遅い。だから彼奴とは距離を置いた、 」
まぁでも、それが正しい判断だとは思ってないよ、
彼奴が幸せに暮らしてるかわからないしね、
彼奴を追い出したのは、ただの僕の私情だ。
五条 「 …….でもまぁ、こんな生活もあと1ヶ月もすればバイバイだ 」
家入 「 なにか策があるのか、 」
五条 「 3ヶ月後、僕は五条家の当主になれる。 」
家入 「 …….!!
いや、まだ当主じゃなかったのか。もうなってたかと思ってたよ、 」
まぁそうだろうね、
表向きには僕が当主になってる。
だけど、これが真実。
五条 「 3ヶ月の辛抱かな、 」