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体内の肉壁が反射的に異物を押し返す動きをみせるが、幾ヶ瀬の小刻みな腰の動きに抗いきれず侵入を許してしまう。
「はあっ、もう……ヤだってば。いくせはホラーでも見てろ」
涙声に被せるように耳元に荒い呼吸音。
「有夏、いい? ね、もっと奥……入っていい?」
「……あっ」
半ば強引に。押し込むように亀頭部分が挿入されると、有夏はシーツに顔を埋めて黙り込んでしまった。
「有夏のナカ、すごく熱い……。そんなにきつくしたら俺の、カタチ変わっちゃうよ? ね、動いていい? ナカで俺の、擦ってよ」
「うんっ……」
シーツを握り締める手がブルブル震えている。
幾ヶ瀬のモノを呑み込み、腰は時折ビクンと痙攣した。
細い首。後ろから見ても、耳が真っ赤に染まっているのが分かる。
「有夏……怒った? 痛かった? ごめんね」
薄く浮き出た血管をなぞるように有夏の手を握り、幾ヶ瀬は呟いた。
やり過ぎだと今更ながら悟ったか。
舌で湿らせたり指でほぐしたりして内部を馴らしてやらないと、挿入に苦痛が伴うのは分かる。
「ごめんね、有夏。痛いよね」
とにかく一旦抜いてやろうと腰を引きかけた時のこと。
幾ヶ瀬はあることに気付いた。
「……有夏、気持ちいいの?」
「んっ……?」
まくれ上がったTシャツから覗く桃色の突起に、幾ヶ瀬の視線は注がれていた。
「こんなふうに無理矢理されて、なのに感じちゃうの?」
「ちが……、なんで?」
腰を撫でていた幾ヶ瀬の手が腹に移動し、ゆっくり上へと這い上がる。
乳首をなぞったところで、幾ヶ瀬自身が呻き声をあげた。
有夏の内部が痙攣し、幾ヶ瀬の亀頭を一気に締め上げたからだ。
「……やっぱり気持ちいいんだ、有夏」
「んん……ちがっ……てば!」
「だって、乳首たってるよ?」
「んあっ」
ぷっくりと膨れ上がった乳首を捏ねると、たまらず有夏は声をもらした。
「有夏、こういうの……好き?」
「い、いくせなら……。ほかの人はヤだ」
「当たり前でしょ」
膨れ上がる欲望を、だが幾ヶ瀬は堪えた。
可愛いことを言いながらも、有夏の下半身が逃げ腰だからだ。
「一回、抜くね」
「うん……」
ゆっくりと腰を引くと、有夏は大きく息をついてベッドに伏した。
「痛ったいわ、もう!」
「ごめん、何か焦っちゃった。疲れてるからかな。性欲が止まらないよ」
「……シレッと何てこと言うんだよ。信じられんわ」
赤くなっちゃったねと言って、幾ヶ瀬は有夏の後孔を指で撫でる。
「ごめんね、ちゃんと舐めてあげる。それから指でゆっくり広げてあげるから。ね」
「その……さ」
有夏が口ごもった。珍しく言いにくそうだ。
「そ、ゆ、の使えば? その、ろ……しょん、とか?」
「ろ、しょ? ローション? どしたの、急に」
有夏が身を起こす。
「あのさ……」
やはりちょっと言いにくそうだ。
デリカシーというものを持ち合わせていない彼が、この態度は珍しい。
「アマゾンのおすすめに、そういうのばっか並んでたんだよ。お前、何見てんだよ」
「ああ……」
激務だと店長を呪いつつも、昨日は休みであった幾ヶ瀬は1日中パソコンに向かっていた。
「ゲームでもしてるのかと思ってたら、そういうページを漁って……」
憐れむような複雑な目つきで幾ヶ瀬を見やり、有夏は膝まで下ろされた下着をさりげない動きで引っ張りあげた。
「だ、だって俺のパソコンだし。登録してるカードだって俺のだし」
悪いことをしているわけではないのだが、幾ヶ瀬も後ろめたいのか、歯切れが悪い。
「有夏こそ、おすすめが進撃の巨人のグッズばっかりだったよ!?」
「いやぁ、完結の衝撃がいつまでも色あせないっていうか。記念にポチる指がとまらなくて」
「俺の金で記念ポチやめてよ……いや、まぁいいよ!」
幾ヶ瀬が目をぎゅっとつむって、両手を振った。
この話はそこで終了という合図だ。
「進撃の巨人語り出したら有夏、長くなるから」
「何それ。ゲートボール大会のこと語り出したら、じいちゃん話長くなるみたいな」
「えっ?」
「……いや、別に何でも」
「えっ、ゲートボール? えっ、何が言いたいの?」
「……例え話なだけだろ! そこツッコムなよ」
「ツッコムなら別のところにしろと……うまーい、有夏! で、有夏はローション買ってほしいの?」
何がうまーいだとぼやいて、有夏が顔を赤らめた。
せっかく履きなおした下着を幾ヶ瀬がまた引っ張る。
「ローションがなくても、俺ので濡らしてあげるから。それでいいでしょ?」
自分の先端を弄って、幾ヶ瀬は指先を有夏の目の前に突き出した。
筋張った指がなまめかしく濡れている。
有夏が微かに声をもらす。
そういうの止めろよと言いたいのであろうが、受け入れることに慣らされた身体が期待に疼くのを止められやしない。
乳首を立たせ、お尻は幾ヶ瀬の前でひくついている。
「挿れるね」
「う……いちいち言うしっ!」
有夏は目を閉じた。
低い笑い声と共に、侵入される感覚。
濡れた中指が内部で壁を押し広げる。
気持ちいいところを掠める動きに、有夏はもどかし気に腰を振る。
「んっ……」
腹に振動が加わった。
指がもう1本増えたのだ。
ゆっくりと動きが速くなる。
「うぅ……んっ、はぁっ……」
内側の弱いところを激しく擦られ、有夏の腰は震えた。
精液でぬるぬるの指に内部を蹂躙されて、有夏の後孔もやわらかくとろけていく。