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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

29 - 第二章 恋の分岐は、ありやなしや? EP.2「三度目の出会いは、何かが起こる予感」②

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2024年12月27日

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そのまま切ろうとした刹那、


「待ってくれ!」


いつにない切羽詰まった声が飛んで、私は通話を終了させようとしていた手を止めた。


「君いい。他に相手がいないんだ」


続けられた一言に、心が衝き動かされる。


だけど、今までのこともあって、すぐには決断をし切れないでいると、「お願いだ、受け入れてくれないだろうか」と、再び頼み込まれた。


「……わかりました、行きます」


そこまで乞われては、さすがに拒めずに同意をすると、


「ありがとう、それではパーティーが始まる夕方前には、迎えに行くから」


彼はそうホッとしたようにも告げて、電話を切った。


「急に何だろうと思ったら、パーティーのお誘いだなんて……。あの人なら私じゃなくても、お相手なんていくらでも引く手あまたに思えるけれど」


通話を終了して暗くなった画面を見つめ、独り呟く。彼のクールなルックスがディスプレイに浮かび上がると、とてもモテないわけはないようにも思えた──。

若き覇王に、甘くときめく恋を

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