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第4分駐所の空気は、やけに重たかった。
机に突っ伏したまま、志摩はぼんやりと報告書の数字をにらんでいる。目の下の隈は濃く、指先が震えていた。
伊吹は苦笑いしつつ、ペンを回した。
「志摩ちゃぁん…寝ろよ、な?」
「ん”ー…いや、俺はいい。伊吹、お前さっさと寝ろよ。昨日も寝てねぇだろ。」
低い声でそう言うが、説得力は皆無だ。
(伊吹は大きく息を吐く)
「……よし、…いい事思いついたぁ…、」
志摩の携帯を器用に盗み出すと、素早く私に連絡を入れた。
数十分後、私は分駐所のドアを勢いよく開ける。
中にいた志摩が驚いた顔で立ち上がる。
「ちょ、え…なんで、ここに…」
「はい一未さーん、寝ますよー、質問は聞きません!」
私はそのまま志摩の腕をつかみ、ソファへと強引に引っ張る
抵抗する間もなく、私は座り込み、自分の膝をぽんと叩いた。
志摩の頭をそこに押しつけるように乗せると、数秒もしないうちに寝息が聞こえ始めた。
私は小さく笑って、囁く。
「…寝た。よし…、」
伊吹はそれを見てニヤリ。
「よし、寝た…!○○ちゃん、ハイタッチ!」
(ぱしん、と静かな分駐所に小さな音が響く)
安心したのか、伊吹も机に突っ伏してそのまま眠り込んだ。
数時間後。
ふと目を開いた志摩は、自分に膝枕をしたまま眠ってしまった私を見上げた。
少しだけ口元が緩む。
視線を横にやれば、同じように眠っている伊吹
志摩は立ち上がり、静かに私をソファに寝かせると、自分の上着を二人にかけた。
「……ったく。」
小さく呟いて、伸びをする。
そしてキッチンに向かい、軽食を作ろうと冷蔵庫を開けた。
静かな分駐所に、包丁の小さな音が響き始める。