コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「暴力は悪いことだ。
でも、言葉で殴るのは“議論”と呼ばれる。
今日も世界は、口喧嘩で更生している。」
タイトルロゴ:《更生戦隊☆院卒ヴァニタス》
副題:“哲学的暴力リハビリ編”
新しい更生プログラムが発表される。
アナウンサー(明るい声):「暴力事件をゼロにするため、“詩的暴力リハビリ法”が導入されました!
怒りを“ポエム”に変換し、感情を昇華する革新的プログラムです!」
ステージに市長とレッド登場。
後方にはグリーンが腕を組んで立っている。
レッド:「言葉の力で社会を殴る!これが新時代の平和です!」
グリーン(小声で):「言葉も殴れば痛いんだよ……」
グリーンが市民たちに詩の講義をしている。
ホワイトボードには「怒り=五・七・五」と書かれている。
グリーン:「いいか、暴力を言葉に変えろ。
例:“ムカつくな”→“春の風 上司の指示で 胃が痛い”。」
市民たちは真面目にメモを取っている。
そこへイエローが乱入。
イエロー:「詩で爆発物作る実験、成功したよ!」
グリーン:「詩の意味が物理的になってるぞ!」
ブルー(通信で):「お前ら、今日も倫理のラインギリギリだな。」
レッド:「ギリギリが一番視聴率取れるんだよ!」
市民が“詩を叫ぶデモ”を始めている。
みんなマイクで怒りの俳句を叫んでいる。
市民A:「家のローン 組んだ瞬間に 残業地獄!」
市民B:「更生だ 言われ続けて 治る気失せる!」
ブルー(モニター越し):「怒りの言語化率120%。でも全員笑顔だ。」
ピンク:「幸福ってノイズキャンセルみたいなもんね。」
レッド:「暴力を詩に変えたら、みんな“文化的”になる。完璧だ。」
ブルー:「つまり感情を封印した社会が完成した、と。」
グリーンが一人で屋上に立ち、録音機に詩を吹き込んでいる。
グリーン(語るように)
「言葉で殴れと言われた。
でも俺の言葉は、誰も殴らなかった。
殴られたい奴ばかりが笑っていた。
——これが平和なら、俺はもう黙る。」
無言。
録音機を殴って壊す。
ニュースが流れる。
「グリーン、更生詩コンテストを無許可で開催」
レッド:「何やってんだあいつ!」
ブルー:「“魂の読書感想文バトル”って名前だぞ。」
イエロー:「絶対流血するやつだ!」
地下闘技場のような雰囲気。
ステージ上でグリーンと“詩AI・POETRON”が対峙している。
観客は詩人、哲学者、元受刑者、インフルエンサーなどカオス。
MC(AI音声):「第1回、更生詩バトル開幕!
テーマは“怒り”。殴るように読め!」
POETRON(AIの声):「愛は不要、論理こそ正義。」
グリーン(低く):「……じゃあ、その正義、黙らせてやる。」
グリーン、詩を朗読。
「君の正義が僕を殴る。
僕の沈黙が君を殴る。
そして俺たちは、更生したフリをする。」
観客、ざわめき。
POETRONがショートする。
ブルー(通信):「AIの回路がポエムで過負荷だ……!」
イエロー:「詩で殴り勝った!?理論的暴力だこれ!」
レッド(笑いながら):「あーもう最高だよグリーン!倫理が粉々だ!」
グリーンが街を歩く。
壊れた録音機を手に、空を見上げる。
グリーン:「詩で殴るより、沈黙で殴る方が効くんだ。」
ピンク:「つまり、反省ってこと?」
グリーン:「いや、ネタ切れ。」
(全員ズッコケ)
レッド:「お前、それでいいのかヒーローとして!」
グリーン:「ヒーローなんて、社会に都合のいい詩人だろ。」