☀︎…もう、生きるのが辛く感じている
目の前にいる男がポツリと呟き笑い、悲しげな顔を浮かべる。
俺は歯をギリッと縛った。
…お前、そんな顔をする奴じゃなかっただろう?
あんなに威厳の凄いお前が、そんな悲しそうに笑うんじゃねぇ。
俺はズカズカと男に近付き、一発喰らわした。
男は目を見開き、驚いた顔をする。
俺はそんな男を強く抱き締めはっきりと言った。
🇺🇸日帝、俺はお前が好きだ、だからお前がこの世界に絶望を抱いて去るような事は絶対許さないからな
日帝。
名を呼ばれた男はピクリと身体を震わし、急に何だ。と呟く。
🇺🇸そりゃあ、お前が好きだからに決まってるだろ?もしお前かいなくなったら俺生きてる意味無いし
俺はへにゃっと笑い、一発喰らわして赤く腫れた日帝の頬に触れる。
🇺🇸…だから、さ?日帝、約束しろよ、俺が生きる為に生きてくれ
俺がそう言うと、少し、薄らと笑みを浮かべる日帝の顔が、俺の視界に入った。
🇺🇸…あー…くそ。
俺はデスクに散らばる資料を横目に、コーヒーを口に運ぶ。
俺はかれこれ3日、一睡も出来ていない。
だからか滅多に飲まないコーヒーを無意識に欲していた。
🇺🇸はぁ…この世はクソかよ…
俺はポツリと呟く。
…いや、呟くと言うより、この世界に呪いを吐いた。
最近の俺は何もかもがついていない。
上司に意味分からないまま叱られるわ、仕事増やされるわ、知人友人との間に亀裂が走るわ…。
メンタル・精神面は強い方だ。
でも、流石に限度と言うものがある。
🇺🇸はぁぁ…
昔、日帝に俺が生きる為に生きろと言った事がある。だがそれ以来、俺は日帝と会っていない。
あれから100年程経つ。
もしかしたら…もう既にこの世に日帝はいないのかもしれない。
だったら俺もこんな世にいなくても良いんじゃないのか?
🇺🇸…
その方が幸せかもしれないと、少しばかり思ってしまった。
🇬🇧アメリカ、ちょっと
昼。
親父に呼び出され、ガタッと席を立つ。
🇬🇧今日、新人の方が入ったのはご存知で?
🇺🇸いや…知らなかったな
あながち嘘ではない。
ここ数日、仕事に追われていたからそんな話は聞いていなかった。
🇬🇧そうですか?じゃあとりあえずその方に会いに来てください
🇺🇸は?何でだよ
🇬🇧だって新人の方ですし、挨拶は基本ですよ?それに同じ部署の方ですから
俺は正直会いに行く気など無かった。
それは今、寝不足気味で不健康な俺を見て欲しくないと言う理由が9割。行くのがシンドイと言う理由が1割だったから。
だが俺は少し考えたあと、親父にどこに新人がいるかを聞き、そいつの所に向かった。
正直この会社はブラック寄りだ。
だから今のうちに考え直せよと伝えようと思った。
🇺🇸…お前が今日来た新人か?
ある部屋の一角。
そこに、資料の片付けをしている男を見つけた。
あっ…はい!そうです
その男は俺の呼びかけに反応し、ゆっくりと振り向く。
俺はその瞬間、息を吸うのを忘れた。
その男は白く雪のような肌。年相応に似合わない低い声。
同じ同性だとは思えない程、可愛らしい男だった。
🇯🇵私、日本と言います、宜しくお願いしますね
日本と名乗ったその男は、細く小さな手を、俺に差し出し、薄らと笑った。
『続』
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