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高校2年生、春。佐野勇斗は、学校で知らない人がいないほど目立つ存在だった。
明るくて、誰とでも仲良くなれて、運動もできる。クラスの中心にいるような人間。
そんな勇斗が、なぜかいつも一緒にいる相手がいた。
吉田仁人。
同じクラスで、少し人見知り。周りからは真面目でしっかり者だと思われているが、親しい相手にはよく笑う。
二人が仲良くなったのは、入学してすぐのことだった。
🩷「仁人、今日一緒に帰ろ」
💛「え、また?」
🩷「またって何だよ(笑)」
💛「勇斗、友達いっぱいいるじゃん」
🩷「仁人と帰りたいの」
💛「……はいはい」
そう言いながら、仁人は少しだけ口元を緩める。
そんな何気ないやり取りが、二人の日常だった。
放課後。
誰もいなくなった教室で、仁人は窓際の席に座り、課題を進めていた。
🩷「まだ終わんないの?」
💛「勇斗がうるさいから進まないんですけど」
🩷「ひどくね?」
勇斗は仁人の机に頬杖をつき、じっと顔を覗き込んだ。
🩷「ねえ、仁人」
💛「何?」
🩷「俺さ、歌うの好きなんだよね」
💛「知ってる。休み時間も歌ってるじゃん」
🩷「いや、そういうことじゃなくてさ」
少しだけ真剣な表情になる勇斗
🩷「いつか、ステージに立ってみたいんだよね」
仁人はシャープペンシルを止めた。
💛「……ステージ?」
🩷「うん。大勢の人の前で歌ったり、踊ったりしてさ。なんか、そういうの憧れる」
💛「いいじゃん」
仁人は笑った。
💛「勇斗、そういうの似合うと思う」
その言葉に、勇斗は照れくさそうに笑った。
🩷「マジ?」
💛「うん。絶対かっこいいよ」
🩷「じゃあ、仁人も見に来てよ」
💛「もちろん」
そのときは、まだ二人とも知らなかった。
この約束が、いつか二人を苦しめることになるなんて。
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コメント
3件
わああああ!新しい作品ですか!?今回も神作が確定してる😇
読ませていただきました。 高校の教室で交わされる二人の何気ない会話が、とても心地よかったです。特に「仁人と帰りたいの」って言い切る勇斗くんのストレートさと、それに照れつつ応じる仁人くんの距離感が絶妙で、仲の良さが伝わってきました。 ラストの一文で、これから訪れる苦しさを予感させる構成が巧みです。青春の温度をそのまま切り取ったような、そんな一話でした。次が気になります。