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夏の暑さが残る、九月の夕方。
二人はいつものように、駅までの道を並んで歩いていた。
💛「ねえ、勇斗」
🩷「んー?」
💛「今日、うち来ない?」
🩷「え、いいの?」
💛「母さんいないし。ゲームでもしようよ」
🩷「行く行く!」
嬉しそうに笑う勇斗を見て、仁人も自然と笑顔になる。
二人でいる時間が、仁人にとって何よりも好きな時間だった。
仁人の部屋。
ゲームをしていたはずなのに、いつの間にか二人はベッドに並んで寝転がっていた。
🩷「仁人ってさ」
💛「ん?」
🩷「好きな人とかいんの?」
💛「……は?」
突然の質問に、仁人は思わず顔を向ける。
💛「何それ、急に」
🩷「いや、なんとなく」
💛「勇斗は?」
🩷「俺?」
💛「そう。いるの?」
勇斗は少し考えるように天井を見つめた。
そして、ゆっくりと仁人の方を向く。
🩷「いるよ」
💛「……え?」
心臓が嫌な音を立てた。
💛「勇斗に好かれるなんて、羨ましい、」
笑って誤魔化そうとする。
🩷「目の前にいる」
一瞬、時間が止まった。
💛「……は?」
🩷「だから、仁人が好き」
仁人は何も言えなかった。
冗談だと思いたかった。
でも、勇斗の顔は今まで見たことがないくらい真剣だった。
💛「……いつから?」
🩷「わかんない。気づいたら好きだった」
💛「俺、男だけど」
🩷「知ってるよ」
💛「……困るかもしれないよ?」
🩷「それでも好き」
勇斗がそっと手を伸ばす。
指先が触れた瞬間、仁人は思わず目を伏せた。
💛「……俺も」
🩷「え?」
💛「俺も、勇斗が好き」
その言葉を聞いた勇斗は、驚いたように目を見開いた。
次の瞬間、仁人をぎゅっと抱きしめた。
🩷「……やば。めっちゃ嬉しい」
💛「ちょ、苦しいって(笑)」
🩷「ねえ、キスしていい?」
💛「……聞かないでよ、そんなの」
勇斗は少しだけ体を離し、仁人の頬に手を添えた。
そして、そっと唇を重ねた。
初めてのキスは、驚くほど短くて、少しぎこちなかった。
それでも二人にとっては、忘れられない瞬間になった。
その夜。
勇斗が帰った後、仁人はベッドの上で一人、スマホを見つめていた。
画面には、勇斗から届いたメッセージ。
『今日はありがと。大好き』
仁人は何度も読み返して、枕に顔を埋めた。
💛「……好きだなあ」
小さく呟いた声は、誰にも届かない。
この幸せが、ずっと続けばいい。
本気でそう思っていた。
一方、勇斗も自宅のベッドでスマホを握りしめていた。
🩷「……彼氏かあ」
思わず笑みがこぼれる。
そのとき、机の上に置かれた一枚の紙が目に入った。
芸能事務所のオーディション案内。
数日前、友人から勧められて応募したものだった。
勇斗はそれを手に取る。
🩷「……受けてみるか」
まだ知らない未来に、少しだけ胸が高鳴った。
そして、その未来が大切な人との別れにつながるかもしれないことを、まだ考えもしなかった。
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コメント
3件
更新ありがとうございます! やばい別れるのか…???いやだ😭でも楽しみ😭
うわあ、この距離感の詰め方、すごく良かったです……。「好きな人いるの?」からの自然な流れで、勇斗くんがまっすぐ「目の前にいる」って言っちゃうのが、青春の甘さと切なさがぎゅっとしてて。 それに、ラストで勇斗くんがオーディション案内を手に取る描写、これが後でどう転ぶんだろうって気になりますね。今はまだ「ずっと一緒にいられる」って信じてる二人の幸せな時間だからこそ、その先がちょっと怖くもあって……続きがすごく気になります!