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蝉の鳴き声が鬱陶しくなる季節、隣の君は気だるそうにアイスをくわえている。
それを見つめる僕に君は気がついて、はにかんだように笑う。
それに僕は顔の熱が上がった気がしたが、しらないふりをしておいた。
夏が来た
僕たちはあと何回夏をすごせるのだろう。
口にくわえたアイスは既に溶けていて、どろどろだった。
肌を焼くような太陽をあびながら、君は汗を拭いてている。
君は汗をかいていてもきれいで、まるで天然水のような透明感だ。
僕は君を見ることに夢中になっていて、自分の方がよっぽど汗でびちょびちょなことに気づかなかった。急いでハンカチをだしてふく。
こんな日にはレモンサワーがのみたくなる。
君は炭酸が苦手だけれど、僕は好きだ。
君と僕は10年ぐらいのつきあいで、お互いのことを知り尽くしているつもりだ。
どうせ好意を持っているのは僕だけだろうともう察している。
よく漫画でみる両思いは、沢山ある中のほんの一部で、片想いをして枕を濡らしている人は腐るほどいるのだ。
「あ、それ1口ちょうだい。」
と僕の気も知らずに言う君に少し腹が立った。
そのまま襲ってやろうか。
でも結局君の可愛さで機嫌が治るのがオチなんだ。
「なんか顔赤くない?」
「夏のせいだっつーの!!」