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るみやサン 🔰🔰🔰
1
#淡本中学校
ゴンザレスドス衛門
119
#途中参加️⭕️
かけうどん
136
22
…田舎の中学校だから当然だが。
クラスは当然ひとつだけ、クラス全員たったの十人。
私は、周りのクラスメイトを横目で見てみる。
どの子も、不思議と暗い表情をしているのが分かった。
なぜそんな顔をしているのか、それも自然と理解することが出来た。
そう、この中学校は、ど田舎育ちの世間知らずにも分かるほど
何かが絶対におかしい。
:
ガラガラ、と若干建て付けの悪いドアが鳴く。
入ってきたのは、若い…いや、若いという度合いではない。
下手をするなら、まだ高校生なのではと疑うような容姿をした教師。
彼女は教卓の前に立ち、私達の方を向く。
だが、その視線はウツロで、どこを見ているのかはわからない。
「皆さんの担任になりました、北マツビです。どうぞ、呼びやすい呼び方で。
担当教科は数学と理科です。分からないことがあったら、気軽に聞いてください」
楽しいクラスにしていきましょうね、と決まり文句のような台詞を最後に添え、
北先生は頭を下げた。釣られて、私達も頭を下げる。
不意に、何かを思い出したように北先生が手を叩く。
「そうだ、自己紹介。忘れないうちに皆さん自己紹介しましょう」
そう言った後に、先生は口元に細くて白い人差し指を当てた。
黒い瞳はやはり視線を掴めず、ぬらりとした光沢を帯びていた。
「ですが、本名を言ってはいけませんよ。名前は大切ですから、教えちゃダメです」
大切だからこそ、教えるのではないか。
予想外の発言に、私は少し戸惑いの色を隠せなかった。
他のクラスメイトも同じようで、それぞれに偽名を考えているようだ。
少し経った後に、北先生が手を叩いた。
時間ですよ、それを知らせる合図だ。
「遅くなってはいけませんから。まず、あなたから」
「じ、ジェーン・ドゥです」
真ん前の彼女が口にした名前は、海外でありがちな偽名。
きっと、良いのが思いつかなかったのだろう。 私も思いつかない。
急に三年間、学校で呼ばれる名前を本名以外で考えろだなんて無理な話だ。
だが、自分の番は刻一刻と回ってくる。
花子、健太、なつき、カラ、さあや、證、あきら、モナ。
それぞれが、適当な名前を挙げていった。
私の番だが、名前が思いつかない。
「あなたの、名前は?」
「…あ……」
黒い瞳で見つめられると、身体中の細胞が静止してしまったかのように
身体のどこも動かせなくなった。
口から出たのは、喘ぎにも似た呼吸だけ。
だが、先生はそれを名前だと認識した。
「…独特な名前ですね、“あ”」
「…!」
そう言って笑う北先生の顔を見て、私の額に汗が伝った。
このひとは、何かがおかしい。
そうだ、このひとには何にも無い。
中身がない。ただの…器?
だからだ、どこを見ているのかも分からない。何を考えているのかも…
…北先生の周囲を浮遊する、目のオブジェクトと目が合った。
多分、あっちが北先生。
コメント
2件
【教えて!校長先生のコーナー】 “ーーあ、あー。マイクテステス。よし、毎度校長先生です。 北先生ね、彼女?彼?には僕も手を焼いていましてね。 いつも隣に美女侍らせてるでしょ?ムカつきますよね。独身の僕を舐めてるのかな? あ、そうそう。あの目の浮遊体はレモンをかけたら一時消滅するんだよ。面白いでしょ?”
読み終わりました。3話目にして、もうこの「おかしさ」がじわじわくる感じ、すごく好きです。「本名を言ってはいけません」というルール、一見すると優しい注意に見えて、実はもっと不気味な理由がありそうで……。 特に「“あ”」を名前として受け入れた瞬間の北先生の反応、あれはゾッとしましたね。最後に浮かぶ目のオブジェクト——「あっちが北先生」で一気にホラーの解像度が上がった気がします。世界観の設計が丁寧で、続きが気になります。