みなさまあけましておめでとうございます!
ねろです、お久しぶりです!
完全にスランプで久しぶりの更新になってしまいましたが、暖かい目で見守って下されば幸いです🥲
注意事項
・彰冬!!!
・過激なし!(若干匂わせありなのでセンシティブ設定にさせて頂きました💧)
・成人済み、同棲してます。
・オメガバース 彰人(α)冬弥(Ω)
・オメガバについてあまり詳しくなく、やんわりとした解釈なので所々おかしいところがあるかもしれません。
読み終えた後のクレーム等はおやめ下さい。
とても短い!なんでも大丈夫な方のみどうぞ!
いつも見て頂きありがとうございます☺️
「…ちょっと顔赤いな、本当に大丈夫か?」
「ん…ああ、大丈夫だ。」
朝仕事へ向かうため、家を出ようとするところでそう声をかける。頬に触れてみると若干熱っぽかった。オレの手が冷たくて気持ちいいのか手に擦り寄って来ると 冬弥はそうくすりと笑みを浮かべた。
「大丈夫なら良いけどよ…なんかあったらすぐ連絡しろよ。なるべく急いで帰ってくるからな。行ってきます 」
「すまない…行ってらっしゃい。気を付けて」
このセカイにはα、β、Ωという3つの性が存在する。冬弥はその中でも稀少種なΩで3ヶ月に一度発情期(ヒート)が来るのだが、丁度その予定日にどうしてもずらせない仕事が被ってしまったのだ。本当は休ませて貰おうと思っていたが冬弥が折角の機会なのだからと言って引かなくて冬弥がもしヒートになっても不自由なく過ごせるように万全の準備をした上で家を空けることになったのだ。
彰人が仕事に行ってしまって3時間程が経った頃、冬弥は案の定ヒート状態になってしまっていた。
(あきと、あきと…)
一枚だけ借りた彰人のパーカーを着てみるとすこし満たされる気がするけれど、むしろどんどん寂しさが大きくなるばかりでもっと、もっとと彰人を求めてしまう。 いつもは狭いくらいなはずのセミダブルサイズのベッドも今はすごく広く感じて… あと何分、何時間待てば彰人は帰ってきてくれるのか、それとも今日は帰ってこないのだろうか?
ベットでぐすぐすと鼻を啜っているとベッドボードに置かれてあったスマホが鳴り出した。ふと目をやるとそれは待ち焦がれていた最愛の恋人からだった
「! あきとっ、あきと♡」
「……とうや、大丈夫か?なんかあったら連絡しろって言ったろ」
「…ごめんなさい」
「あー悪い、謝らせたかった訳じゃねえんだ、もう少しで帰れるからな。なんか欲しいもんとかあるか?」
「何もいらないから、早く帰ってきて、おねがい」
ああ、こんなことが言いたいんじゃないのに。
止まらない涙を必死に拭う。 せっかく有名なアーティストさんとの仕事をできるチャンスで 彰人だって楽しみにしていたから、自分のせいで貴重な機会を無駄にして欲しくないのに。 こんなことで心を乱される彼じゃないことはわかっているが自分は少なからず大事にされていると思うし、彰人は優しいからこんなことを言ったら仕事に集中出来なくなってしまうかもしれない。それは絶対嫌だった、のに
「…冬弥、」
「う、あ… ちがう、ちがうんだ。 すまない… ごめんなさい」
「とーや、一旦落ち着け。そんでオレの声だけ聞いてろ」
何とか落ち着こうとふう、ふうと浅い呼吸を繰り返し、彰人のあたたかい声に耳を傾けるうちその呼吸はだんだんゆったりとしたものになっていき、ほろりと涙を零し名前を口にだす
「…ん、…… うん… あきと、」
「ん、 落ち着いたな。絶対日が暮れる前には帰るからもう少しいい子で待ってられるか?」
「…まてる、」
「ありがとな。服でも何でも使えよ、汚れるとか気にしなくていいから」
うん、うんとあきとの声に相槌をうつが何を言っているのかおぼえていない。電話を終えるとしんと静かな寝室にさみしくなる、さっきまでそばに居たような感覚だったのに。
そういえばさっき服を使っていいと言っていたような気がする……けど、 彰人は服にこだわっているから、それをぐしゃぐしゃにしてしまうのは申し訳がない。もうろくに回らない頭でぐるぐると考えるがもう限界で少しだけ、少しだけと自分に言い聞かせながら彼のクローゼットの中を漁ると、自分が誕生日にプレゼントした物やデートの時に着ていた服などが綺麗に仕舞われていた。結局そこからたんまり服をベッドへ運びせっせと彼と冬弥だけの巣作りに勤しむ… が、
「…うまくできない……」
情緒が不安定で 涙が溢れそうになるのを堪えるようにむぐぐ、と眉を顰める。彰人と番になってからはヒートが落ち着いて来ていたし、ヒートになると必ず彰人が傍にいてくれていたからかここまで重いヒートは久しぶりだった。 それにいつもは服にこだわりの強い彼に申し訳がなくて1、2枚借りる程度だったから巣なんて作ったことがない。もう作り直す元気もなく、彰人の匂いに包まれると安心してそのまま眠りについた
◇◇◇
あの後、冬弥のことが気になりながらも問題なく 仕事をこなし、 予定より少しだけ早く帰ってくることが出来た。急いでマンションの階段を駆け上りガチャガチャと無駄に音を立てながら鍵を開ける。家に入った途端ほんのり焼きたての パンケーキのような香りが漂ってき、とにかく一刻も早く彼の傍へいてやらなければと寝室へ入ると脳までも溶かされてしまいそうなほど 甘ったるい匂いで充満していた
「 とうや、入るぞ… …、 ッ゛ 」
自分の服に多分、いやこれ絶対巣だ。そこで すうすうと気持ちよさそうに眠る最愛の彼の姿があり、とりあえずほっと胸を撫で下ろす。 起こそうと近寄ると目元が赤くなっていることに気付いてやはり無理にでも時間を作るべきだったかと後悔した
「冬弥、とーや 」
「… ん、う… …!ぁ き、あきと 」
「ん、ただいま、遅くなっちまって悪い、つらいよな 」
ぼんやりとした目でオレを見つめて帰ってきたと分かるともぞもぞ そんな彼が愛おしくて頭を撫でてやるとふにゃりと頬を緩めた。
「ところでそれ…オレも入っていいか 」
「あ…っ、けど、うまくできなくて… 」
冬弥が作った巣を指さすと冬弥からしたら 納得できる出来ではなかったようで目をぐるぐるさせてまた泣き出しそうになってしまった。泣かせたかったわけではないから落ち着かせるように 頬を撫でるともう我慢出来ねえんだけどと 目で訴えながら「お前はどうして欲しいんだ」と問いかける
「あきと、すき…」
「ん、オレも好きだ」
「……きて」
「ははっ、じゃあ遠慮なく」
本人がこういうんだから我慢する必要なんてないだろう、多分今自分は貴方の言う”悪い顔”をしているに違いない。ベッドへ上がり冬弥の唇に噛み付くようなキスを落とすと甘い声がこぼれてくる
「嫌だって言っても止まってやれねえぞ」
最終確認をするとオレの下で うっとりと微笑む
「ふふ、… どうぞおいしく めしあがれ。」