コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
調理実習ではハンバーグを作る。
さっそく班でそれぞれの役割を確認して準備をはじめた。
「ねえ」
私が準備をしているとき後ろからいきなり声をかけられた。
「え、な、なんです、?」
話しかけてきた子は加藤さんが言っていた気をつけた方がいい女子の1人、七海さんだった。
びっくりして変な話し方になってしまう。
「そのエプロン、飯森さんのじゃないよね?」
「そ、そうですが…」
__この子が神原さんに好意を持ってる?ってことは、目をつけられた?
「あ、もしかして借りただけ?やだー!勘違いしちゃった!ごめんね!」
「え?あ、ううん!大丈夫だよ~」
なんだ、目つけられたのかと思った…とほっとする。
神原さんのエプロンを使っていることに心配する必要が無くなった私は安心してハンバーグを作ることができた。
少し焦げてしまったけど。
エプロンの紐を解くのに苦戦しているとき、また後ろから声をかけられた。
「なんで飯森さんが神原くんのエプロン使ってんの?」
さっき声をかけてくれた七海さんと仲のいい鈴木さんが話しかけてきた。
「あ、違うよ~!借りただけ!」
この子も私が着るエプロンを間違えたと勘違いしたのだろうと思い、そう言ったのだけど、鈴木さんは怒ったままだった。
「は?どういう関係なの?」
「え…?」
びっくりして無言でいると、そのまま鈴木さんは私の肩にドンッとわざとぶつかり、調理室を出て行ってしまった。
「ごめんね、鈴木さんに話しちゃった」
七海さんが耳打ちをして鈴木さんを追って調理室を出た。
___どういうこと?
しばらく呆然と立ち尽くしていると、はっとエプロンを見た。
そうか、神原さんに好意を持っているのは鈴木さんなのか。
完全に目をつけられてしまった…
その日は鈴木さんに何かをされることは無く、放課後ネッ友のえびに相談をすることにした。
『えび!今日ね』
今日の出来事、神原さんからエプロンを借りたこと、七海さんと鈴木さんに目をつけられたことを全て話した。
明日は土曜日だから少し心が楽だった。
『学校行くの怖い…』
『無理して行かなくていいからね、!変われるなら変わってあげたいよ…』
『うん、ありがとう』
その日の夜は、あまり眠れなくて、3時になるといきなり猛烈な眠気に襲われた。