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「バブ……」
ゴブリンの巣窟で僕は30匹のゴブリンと戦った。雷の魔法球を地面に沢山置いて感電させる罠を作った。
水を足首くらい流すと更に効果的に機能した。魔法球の扱いがかなりわかってきたぞ。
「バブブ……」
それにしても凄い量のゴブリンだ。そんなゴブリン達を倒してもレベルは上がってない。魔石が沢山たまってしまったのでシディーさんの真似をして風の魔法球にしまって転がしてる。
拳2個分といった感じの魔法球。このくらいなら何とかなるけど、これ以上増えちゃうと面倒だな。
「ギャ! ギャギャギャ!」
光の魔法球に反応してゴブリンが次々現れる。奥に進むのはいいんだけど、きりがないな~。
「バブ! バブバブバブ!」
複数の水の魔法球を水の攻撃魔法で撃ちだす。
水の攻撃魔法は僕の指程の塊、魔法球は僕の拳ほどの大きさ。見事にゴブリンの頭に当たって彼らの頭が砕ける。魔法球はその場に落ちるだけなので再利用可能。
水の魔法球を雷に換えれば更にダメージが増えるだろうな。水と雷は相性がいいから僕のメイン魔法にしようかな。うん、そうしよう。
「グルルルル」
「バブ?」
洞窟を更に進むと人が作ったかのような内壁が現れる。更に進んでくると螺旋状に下に伸びていく階段が現れる。まるでその階段の先を守るようにけもくじゃらの化け物がいた。
彼は僕に気が付くとうなり声をあげてくる。
「ギャアァ~~~」
「バブ!」
襲い掛かってくる化け物。僕は大きく後方に飛び上がる。宙に浮いていれば攻撃できないでしょ。あとは一方的だった。
水の魔法を当てて水浸しにして雷を放つ。攻撃魔法も簡単だ。雷は見たことがあるから想像しやすいしね。
レベルが上がったおかげかな。攻撃魔法の威力が上がってる気がする。
『レベルが上がりました』
「バブ!」
やった! 今の化け物を倒して更に上がったぞ。
『称号【生まれて一年以内にビッグフットを倒した】を獲得しました』
更に称号も得たぞ。効果はどうだろう?
ーーーーーー
ステータス
アルス
職業 赤ん坊
レベル2
HP 55
MP 220
STR 28
DEF 28
DEX 28
AGI 27
INT 110
MND 110
称号
【異世界転生者】【翻訳】【言語理解】
【生まれて一年以内に魔法】【MPアップ】
【セブン】【魔法の威力アップ】
【生まれて一年以内にゴブリンを倒した】【ゴブリンへのダメージアップ】
【生まれて一年以内にビッグフットを倒した】【物理攻撃にボーナスを得る】
ーーーーーー
「バブ?」
物理攻撃にボーナスってどんな効果だろう? 少し攻撃力が上がるって感じかな? 結構あいまいでわからないな~。
それにしても僕のステータスは魔法に偏ってるな~。上がり方も魔法関係のINTとMNDが上がりやすくなってる。
赤ん坊で筋トレをするのはなんだか嫌だしな~。どうしたものか。
「バブ……」
螺旋状の階段。まるで奈落の底へと続くような階段。
シディーさんはこの中を知っていて倒して来いって言ったのかな? 進むしかないかな~。
とりあえず、ビッグフットの魔石もしまってって、大きいな~。僕の拳くらいの大きさだ。それだけビッグフットが強かったってことかな?
「ウ~! ワンワン」
「バブ?」
大きな螺旋階段を下っていると下から犬の鳴き声が聞こえてくる。
こんなところに犬? 罠かな? と思いながらも行くしかないので下っていく。
「ギャギャギャ!」
「ウ~! ……キャンキャン」
白い毛並みの犬を王冠をかぶったゴブリンが縄で縛りあげてる。周りには涎を垂らして待つゴブリンが沢山いる。
もしかして生贄か何かにしようとしてるのか? 儀式みたいな感じだ。
「キャンキャン!」
「ギャギャギャァ~~~!」
王冠をかぶったゴブリンが大きな斧を片手で持ち上げる。白い犬は恐怖で声を上げてる。みていられない!
「バブ!」
「ギャ!?」
戦略は一緒。水浸しにして雷の魔法を放つ。僕は宙を浮いて雷を放ち続ける。こんな攻撃されたらひとたまりもないだろう。
縛られていた犬は感電しないように地の魔法球の中。僕と同じくらいの子犬だから簡単に作れる。
「キャン!? クンクン」
「バブ!」
魔法球を解除すると子犬は僕に驚いてから匂いを嗅いできた。
『称号【生まれて一年以内にゴブリンキングを倒した】を獲得しました』
「バブ!? バブバブ!」
更に称号が得られたぞ。僕は嬉しくて手を上げる。
「ク~ン」
「バブ!?」
嬉しくて上げた手を子犬がなめる。
この子犬は不思議な匂いがする。それに、地の底とも思えるこんな遺跡みたいなところにいた犬なのに一切汚れてない。
「ク~ン! ク~ン!」
「アブブ!?」
子犬は僕に頭をこすりつけると顔をベロベロなめまわしてきた。僕はたまらず声を上げる。
顔が涎でいっぱいになってしまった。僕はお返しとばかりに彼の体をまさぐる。モフモフフカフカ、ほんとに彼は綺麗だ。まるで夜の月のようにきらめいている。
「キャンキャン!」
「バブバブ!」
ひとしきり撫でまわすと彼が背中に乗れと言ってきたので乗せてもらう。僕と同じくらいの大きさの子犬なのに軽々と僕を乗せて歩く。
彼はここに住んでいたのかな? 道を知っているみたいで案内してくれているみたい。あとからゴブリンがやってきて我が物顔で占領していたのか。ビッグフットは用心棒みたいなものだったのかもな。
僕らは更に奥深くへと進んでいく。