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じゃっぴがのあさんのこと好きで、緊張するから2人に着いてきてもらうみたいなことだと妄想してる…❣️💭
二人が戻ってきたのは、それからほどなくのことだった。
他のメンバーが談笑している中、じゃぱぱがのあさんに声を掛けて部屋を出ていく。
それをぼんやりと眺めていると、えとさんが座る。何故か俺の横に。
「…どっか行ってたん?」
「あー、まぁね」
振った話を濁されて、会話が途絶える。
いつもならえとさんから話し掛けてくれることも多いから、沈黙が続くことなんて無いのに。
何となくいつものえとさんとは違って、緊張しているような。
「あ、のさ…」
周りの喧騒にかき消されそうな声。
「一緒に遊び、行かない?」
予想外の誘いに固まる。
「え…お、俺?」
じゃぱぱは?いいのか?
疑念が浮かぶが、それと裏腹に浮き立つ心。
しかし、次の瞬間。
「うん、じゃっぴとのあさんと、4人で」
一気にどん底へ。
何だ、じゃぱぱとのデートの付き添いってことか。
「…二人で行けばいいのに」
落胆から、ポロリと溢してしまった言葉。
それが耳に届いたらしく、えとさんがびっくりしたようにこちらを見る。
「何だ、知ってたの!?」
「知ってたって言うか…気付くよ、そりゃ」
好きな人の、好きなやつくらい。
「じゃあ話が早いや。二人だと緊張するって言うからさ」
緊張って。二人きりでデートするのが?いつもあんなにえとさんに絡んでるくせに。
「…えとさんは、いいの?」
好きなやつと、せっかくのデート。二人きりで楽しみたいんじゃないのか。
なんて。なんで俺は、わざわざ自分が傷つきそうな質問を。
えとさんは少しきょとんとした後、
「私?私は全然!楽しそうだし」
と笑顔を見せるから。
じゃぱぱと出掛けることがそんなに嬉しいのかと、心がツキンと痛む。
「……分かった、いいよ」
「ほんと!?やった!ありがと!」
嬉しそうな声に、共有スペースで他のメンバーと話していたうりが
「お?何がやったーなん?」
と反応する。
「やっ、何でもない!」
誤魔化しながら立ち上がったえとさんは、俺の肩に手を乗せたかと思うとそのまま俺の耳元に顔を近づけて
「詳しいことはまた送るね」
と囁き去っていった。
「…不意打ちはずるいだろ…」
触れられた肩、息がかかった耳が熱くなっている気がする。
こんな僅かな触れ合いでも喜んでしまう俺は相当燃費がいい。
ソファの背もたれに頭を預け、天井を仰ぐ。
さっきの笑顔、可愛かったなぁ。やっぱりえとさんにはあの表情が一番似合う。
えとさんが笑顔になれるならいいや、例えその元が俺じゃなくても。
漫画によく出てくる完全な当て馬の思考だな、と、自嘲の笑みを浮かべる。
じゃぱぱとえとさんが上手くいくように願えるほど、俺の心は美しくはないけれど。
next、、、♡50