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にーちゃん、俺たちずっと一緒にいよーね」「……当たり前だ」
「ゔぇへへっ、にーちゃん〜♪俺が守ってあげるからね」
ずっと二人で居るはずだったのに。ずっと一緒だって言ったのに。俺が守るって言ったのに。アイツのせいで……
「にーちゃん弱いんだから無理しちゃだめだよ」
「……そこまで頼りないか?」
「うん、頼りないよ。だから俺のそばを離れないでね?」
にーちゃんなんで俺のそばを離れたの?俺が見てなかったのが悪かったの?……一瞬だった。一瞬、手を繋いでいる手を離した隙にアイツはにーちゃんを奪って行った。
「にーちゃん!!!」
「……ッ!イタ、リ…ァ」
「んははッ!やぁ〜っと捕まえたわ。ほんま往生してんで?ここまでずぅーとお前らつけるん。全然離れんもん。油断も隙もなくてずぅっとむしゃくしゃしとったわ」
ロマーノを抱き寄せにっこりコチラを向いて笑う。怒りのあまりイタリアは歯軋りし、酷くスペインを睨んだ。
「にーちゃんを返せ」
「なんでや?自分にそんなことゆー権利なんてあると思っとるん?えぇ、間違いやわ〜。俺のロマーノやのに……勝手にべたべた触って…なぁ?」
スペインがロマーノに顔を近づけるがロマーノは抵抗しようと顔を逸らす。その時だった。
「あかんやん。親分にそないな態度とったら」
大きなスペインの斧がロマーノの首に触れかけた。ロマーノは小さく悲鳴を上げる。
「……ッ!!!何するんだよ!!」
イタリアは目で捉えるのも難しいほどの速さで駆け出すと次の瞬間にはスペインに切りかかっていた。しかし、スペインは斧でそれを軽くあしらうだけでイタリアを退けてしまった。
「んはッえぇ、顔するやんロマーノ。ん?なんや、まだおったんか。ガキは、はよー帰り?」
しっしっと手を振ると再びロマーノに向き合った。ロマーノは震えているようでそれを落ち着かれるためなのか、優しくスペインは頭を撫でた。
「んぁ〜ごめんなぁ?ロマーノ、ほんま堪忍やで。でもなぁー?ロマーノ俺から離れるとこやいなことになんねんってちゃぁんと理解してわんと困るんや」
愛しいものを愛でるように頬に触れ、髪に触れた。イタリアは今まで出したことのないような怒号をスペインへ飛ばした。
「Che palle!‼︎ (いい加減にしろ)俺とにーちゃん二人で幸せでいられたのに!お前が来なければ幸せだったのに!俺らの幸せを壊さないでよ!!」
再びスペインに切り掛かる。冷光を放つ血先が彼の頬に触れた。
「……やるやん?俺ちぃーとみくびっとったみたいやわ……」
頬から流れた血を親指でぐっと拭うとまた、ロマーノへ視線を向けて、にやっと笑った。
その笑みはイタリアからすると世界一不気味で邪悪な笑だった。
ひょいっとロマーノを小脇に抱えると物凄い勢いでイタリアへ突進した。
片手で大きく斧を振るうと轟音が鳴った。イタリアはこの斧に当たった瞬間死ぬと音を聞いて、目で見て、空気を肌で感じ悟った。
「……イタリア!逃げろ!」
ロマーノが叫ぶ。しかしその瞬間イタリアの首目掛けて斧が振り下ろされた。
「…やっ、イタリア!!!」