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斧は紙一枚分空のところでイタリアの首を切り付けずに止まった。スペインは思わずにやける。そして。

「……ぷっ!んははッ!えぇ、アホズラや。傑作もんやな!」


スペインは吹き出し爆笑するとすっとイタリアの首筋ギリギリにあった斧を退ける。

イタリアは恐怖の余り腰を抜かし、その場に座り込んだ。そして自分の首を確かめるように触るとスペインと囚われているロマーノを見上げた。


「……なぁ、ロマーノ。かわえぇ、かわぇぇ、大事な、大事な自分の弟や。できれば俺も殺したないんや。せやから、いい子にたってや?」


ぐっとロマーノの両頬を片手で掴むと無理やり自分の方へ向かせ微笑み。


「わかたな?」


ロマーノは震えながら頷き、小さく返事をするとスペインは満面の笑みになりロマーノに顔を擦り付ける


「んふふっ、ロマかわえぇな。ほんまにかわえぇ。嗚呼…やっぱり毎日後付けてったん正解やったわ…」


そしてまだ、地べたに座り込んでいるイタリアを見下ろす斧を背中に背負う、とロマーノを抱き抱え、背を向けた。そして振り向いきざまに。


「ほんま、大きにやで♪」

と言って歩き出した。


ただ眺めることしかできなかった。


「にーちゃん……」

掠れた小さい声でつぶやいた。涙すら出てこない。




────────【ロマーノ】────────


寒い……イタリア。俺の布団を勝手に取るな……。


イタリア?いないのか?寒い、早く戻ってこいよ。


イタリア……朝飯なんかいいから……


イタリア……イタリア……


「イ、タリア……?」


掠れた声が出ると無機質な天井が見えた。ここは?イタリアは?知らない場所だ。どこなんだここ。

見渡すとどうやら大きなベッドに寝かされているのはわかった。部屋の中が暗すぎてそれ以上はとても分かりそうにない。カーテンらしきものはあるが夜なのか日の光は一切入ってこない。


どこからか足音と扉の開閉する音が聞こえる。それと、鼻歌。


「ふんふんふーん♪buen día(おはよう)ロマーノ。朝ごはん持ってきたで?」


「スペイン……?」

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