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「よ~し、眠ったな」
「やっぱり、誘拐された子達だったのね」
「……ルフィ、こいつら何も知らずにこんな……酷いことされて、可哀想だ。家に帰りたがってた! 親に会いたがってた! 助けてやろうよ!」
「ルフィ、私もこの子達助けたい!」
「う~ん……じゃ、全員親のところへ送り届けてやるか」
「バカ! 簡単に言うな! 問題は山積みだぞ!」
「そうね。現況に尋ねてみなけらば何もわからない」
「マスターって奴か……なあ、ジェイデンは知ってるんだろ?」
ルフィが俺を見る。俺は答えるべきか悩んだ。今ここで俺が喋っていいのか? マスター、シーザーの情報を話していいのか?
「……ごめん。話せねえ」
「ジェイデン! ジェイデンもマスターの仲間なのか?!」
「違う……」
「チョッパー、ジェイデンに怒っても仕方がねえ」
「そうよ。気持ちはわかるけど、ジェイデンだって子供たちを止めようとしてたわ」
「…ジェイデン、お前があげていたお菓子は普通のものなんだよな?」
「あぁ。少しでも楽しい気持ちになってくれたらって、あいつらにお菓子を作ってやって、絵本とかも読んでやって……でも、医療知識もない俺にはどうすることも出来なくて……」
「そっか。わかった。怒鳴ってごめん」
チョッパーがそう言って謝り、俺は首を横に振る。チョッパーの言い分はもっともだ。チョッパーは医者だ。俺たちよりずっと、この状況がどんなにヤバくてひどいものなのかを理解している。俺はチョッパーに謝られるようなことをしていない。
むしろ、俺は――
「よし! おれたちはさっきの研究所へ行こう。マスターに会いに」
「俺はここで待つよ。おれ、マスターって奴絶対許せねえ。ぶっ飛ばしてやりてえけど、でも子供たちが心配だ。見てなきゃ」
「そうね! そう! じゃあ私も残る!」
「お前ナミ! 汚ねえぞ、怖えんだろう!」
「でもまた今みたいに暴れたら大変だな、子供」
「可哀想だが、大きい子達だけでも括っておいた方がいいんじゃないか」
「そだな」
ウソップの提案で、大きい子供だけを鎖で縛っていく。
「ちょっと手荒ね…」
「仕方ねえ。暴れ方はヘビー級だ」
「いつ目ぇ覚ますかもわからねえし」
「入れ替わりの件はどうなる?」
「それはちゃんと俺がローに言うよ。このままになんかしておけないしな。特にナミさんが可哀想だ」
「ジェイデン……!!」
俺の言葉を聞いて、ナミが嬉しそうな顔をする。
「いつ、あの建物から追手が来るかわからないし、なるべく早く戻ってくるのよ!」
「わかってる」
「じゃあそろそろ行くか」
ナミとチョッパーを残して、俺たちは研究所に向かうことになった。
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