私と、冬青は、両想いだ。今、付き合っている。けど、久実が、私たちと、あまり話さなくなった。登下校時も、後ろで見守っているように、黙って付いてくるだけ。今まで、ずっと、三人で話していたのに、なぜだろう。家で理由を聞いても、何も言わず、部屋に行ってしまう。はっきり言って、とても寂しい。
それから、久実は、私たちと話さず、一人で過ごすようになってしまった━━。
それと同時に、私たちの会話は、久実への心配事ばかりに。どうして、久実は、私たちと関わらなくなってしまったのか。どんなに話し合っても、答えは、出ない。だから、
「二人で、久実に話を聞こうよ。」
と、提案した。一人は、寂しいから、一人にだけは、したくないんだ━━。
翌日、下校中。
「久実!」
彼女は、走りだした。私から、逃げるように。
「待ってよ!久実!」
彼女は、止まらない。すると、久実の前に、誰か来た。冬青だ。こんなことになると思って、先回りさせておいたのだ。
「なんで、逃げるんだよ。」
久実は、答えない。
「久実……どうして、私たちを、避けるの?」
「そんなの、二人には関係ない。」
「何言ってんだよ。俺たちには、関係ない?ふざけるなよ。本当に関係ないなら、俺たちだって、こんなこと聞かねえよ。」
「本当のことを、話してほしい。」
久実は、また、答えない。
「どう…して…なの?なんで…答えて…くれないのさ。私は、ううん、私たちは、とても、心配、してるのに。」
「あなたたちに、私の気持ちなんて分からないよ!」
黙って、聞いてみる。
「私がいなくても大丈夫だったんでしょ!」
「おい!なにを━━」
私は、彼の腕を掴む。今は、まだ、早いから。
「私なんて、消えた方が、マシなんでしょ!いなくなった方が、良いんでしょ!」
私は、とても、驚いた。まさか、久実が、こんなふうに、思っていたなんて。
「私は、あなたたちとは違う。私は、一人が良いから。」
「なんで…そんなこと…言うの?一人が良いなんて、嘘でしょ?嘘じゃないのなら、なんであの時、私に話しかけてくれたの?」
「それは━━。」
「一人が、嫌だったから。誰かが、側にいてほしかったから。違う?」
「…。」
「私ね、あの時、とても嬉しかった。久実、君は、私を、助けてくれた、手を、差し伸べてくれた。あの時、久実に話しかけられていなかったら、私はどうなっていたのか、分からない。こっちに、来て。久実。」
「ごめん、水澄。でも、私は━━」
そう言って、彼女は、歩きだした。
「生きる資格がない。そう、言いたいのか?」
彼女は立ち止まり、こう言った。
「なんで…分かったの。」
「俺も、そう思ったことが、あるからだ。」
「そう。」
「久実、君は、私を、助けてくれた。次は、私の番。久実がここにいて、良いんだって、思えるようにしたい。絶対に!」
久実は、振り向き、こっちに、歩いてきた。
「久実…。」
「水澄。ありがとう。今の言葉で、十分だよ。私、ここにいて、良いんだね。」
「もちろん!」
「良かったな。ちゃんと、通じて。」
「私たちは、これからも、友達だよ!」
「違う。親友だ。」
「うん!」
━━私たちは、新たな一歩を、踏み出した━
それから、私たちは、また三人で行動している。色々なことがあったから、こうして、とっても大事な親友に、なれたと思う。
私と冬青は、何回かデートをした。彼の、良いところがいくつも見つかった。
━━私たちは、進み続ける。困難に、打ち勝って。誰かが、挫けても、励まし、また、一歩を踏み出す。もう、私たちは、独りじゃないのだから━━。
End
コメント
2件
この作品は、まず最初にすごく面白くて、タイムスリップをする話でしたが、作者の想像力と妄想力が半端なく伝わってきました。是非とも皆さんに読んでみてほしいです。
無いです