テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「」せりふ ()こころ
桃 視点 .
なっちゃんが部屋を出ていってから、どれくらいの時間が経ったのだろう。
カチ、カチ、と壁の時計が刻む音だけが、異様に大きく部屋の中に響いている。
俺はベッドの上で膝を抱え、なっちゃんが閉めていったドアをじっと見つめていた。
今、この屋敷のどこかで、なっちゃんが俺のために『お片付け』をしてくれている。
なっちゃんを俺から奪おうとしていた百瀬家の偉い人たちや、両親の側近の連中。
彼らを、なっちゃんが静かに、確実に、この世界から消し去っているのだ。
普通の人間なら、恐怖で発狂して逃げ出すかもしれない。
無縁、とは言えない人たちが殺されているかもしれないのだから。
だけど、今の俺の胸にあるのは、恐ろしいほどの静寂と、奇妙な安心感だけだった。
(……あぁ、早く全部終わればいいのに)
遠くの廊下で、一瞬だけ、バサリと何かが崩れ落ちるような重い音が聞こえた気がした。
誰かの悲鳴や、争う声は聞こえない。
なっちゃんは完璧な執事だから、きっとお掃除だって誰にも気づかれないくらい、綺麗に、静かにこなしているはずだ。
なっちゃんの手を汚させてしまっていることへの罪悪感なんて、もうこれっぽっちも湧いてこなかった。
なっちゃんがいない世界で生きることに比べたら、誰が何人死のうが、俺にとっては綿毛が落ちるのと同じくらいどうでもいいことだった。
「ふふ……っ、なっちゃん、お腹空いてないかな」
俺はベッドの上で、自分の前髪のピンク色を指先で弄りながら、ぽつりと呟いた。
こんな夜なのに、頭の中に浮かぶのはなっちゃんのことばかり。
明日になれば、俺を引き裂こうとする邪魔な連中は一人もいなくなる。
学校だって、もうどうでもいい。
百瀬家の次期当主としての義務も、望まないお見合いも、全部あの冷たい音と一緒に消えていくんだ。
俺は自分の制服の上着に顔を埋めた。
そこには、夕方になっちゃんが俺を強く抱きしめてくれた時の、あの少し甘くて落ち着く匂いがまだ微かに残っている。
なっちゃんの匂いを吸い込むだけで、胸の奥がトロンと甘い熱で満たされていく。
「なっちゃん……、なっちゃん……」
何度もその大好きな愛称を口の中で繰り返す。
俺にとって、なっちゃんはもう単なる執事でも恋人でもない。
自分の呼吸を繋ぎ止めるための、絶対的な酸素そのものになっていた。
なっちゃんが俺のすべてを支配して、俺がなっちゃんのすべてを受け入れる。
この完全な愛の檻のなかで、俺は無垢な笑顔を浮かべていた。
ガサリ、とドアの向こうで気配がした。
鍵がカチャリと回り、ゆっくりと扉が開く。
「らん、お待たせ。……良い子で待っててくれた?」
部屋に入ってきたなっちゃんの顔には、いつもの甘々で過保護な、世界で一番優しい微笑みが浮かんでいた。
金髪と赤の毛先が少しだけ乱れていて、白いシャツの袖口には、暗がりのなかでも分かるどす黒い小さな染みがいくつか付いている。
「なっちゃん……っ、おかえりっ!」
俺はベッドから飛び降りると、なっちゃんの身体に自分からギュッと抱きついた。
なっちゃんの身体から、微かに鉄のような、冷たい血の匂いが漂ってくる。
だけど俺はそれを怖いと思うどころか、俺を守ってくれた証拠のように思えて、たまらなく愛おしく感じていた。
「うん、ただいま、らん」
「まずは、らんを脅かそうとした周りのネズミたちを、綺麗にお片付けしてきたよ」
なっちゃんは俺の腰を強く抱き寄せ、耳元で甘く囁いた。
その声に、俺は幸福感で胸をいっぱいにしながら、何度も深く頷いていた。
【れ】
episode . 21 end__
ま で ぃ か よ 。
ワ ン チ ャ ン 無 断 使 用 の い ら す と あ っ た ん だ が 。
ど ~ し ま し ょ ………
誰 か 助 け て (/´Д`)/
それではまた次回.ᐟ.ᐟ
ばいちゃ.ᐟ.ᐟ
ゆ59
11,787
さなめ
108
#赫
天国 ♭
4,296
コメント
7件
もう好きぃぃ😭💞 好き好きもう大好き😇😭 語彙力消失し過ぎてて草( ᐛ )𐤔 続きが楽しみっ.ᐟ.ᐟ
ぱぁぁぁぁぁ、 ついにやったのか、色んな意味で まぁじ考えたくるりんてんさーい 神様仏様くるり様だぁ、これ
🌾しつにゃっ ついにやったぜ赫彡 桃彡赫彡のいぞんつよつよですきにゃ はぁぁぁぁぁもうこんなんきょういぞんのちょうてんみたいなもんやろ(? すきにゃありがとうにゃ。 ぐっどらっく☆(気絶