テラーノベル
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映画のネタバレ注意
wki side
いつもの様に新曲についての話し合いのため涼ちゃんと一緒に元貴の家に向かっている。
外からみると電気がついていた。
また夜通し新曲を作っていたところだろう。
働きすぎだと涼ちゃんと止めたが元貴はなかなか休んでくれない。
元貴は自分が働いていないと落ち着かないらしい。
f「僕ちょっとコンビニで軽食買ってくるね。この調子だと多分昨日の夜ごはんも食べてないだろうし。」
w「そうだね、ありがとう。じゃあ俺は家事でもやろうかな。どうせやってないだろうしね。」
f「元貴はめんどくさがり屋だからね〜。」
お互いに苦笑いしながら元貴の心配をする。
面倒くさがりやの彼を怒ることもあるけど結局は2人とも元貴の世話をしてしまう。
俺たちはそれだけ元貴が大好きなんだよね。
まぁ、俺は大森元貴のファン第1号だし涼ちゃんも元貴の才能に魅了されてこの道に進んできたからね。
合鍵を使って家の中へ入る。
夜どうし曲を作った時の元貴はハイになってるかプツンと糸が切れたように寝ているかのどちらか。
玄関のお出迎えがないから今日はおやすみモードか?
さて、どれから片付けるかなと思いながらリビングへと繋がる扉を開く。
s「桐山さん、おかぇ………、、」
なぜか元貴ではない誰かがリビングのソファにちょこんと座っていた。
顔は何処と無く元貴に似ているが完全に違う。
w「……お前、誰だ?」
咄嗟に強い言葉が出たがしょうがない。
大切な幼なじみで大好きなメンバーの家に知らない人がいたら落ち着いていられない。
実際に今俺の頭の中では様々な疑問が渦巻いている。
もしかしたら元貴の友達?と考えるが元貴の友達はだいたい把握している。
例え仮に友達だったとしても俺たちの許可なしに元貴の家には泊まらせない約束をしている。
目の前の男は俺を見るや否やびっくりした表情をしたあとすぐ真顔に戻り、なにか考え出した。
そういえば、目の前の男以外に人の気配がない。
元貴は、何処だ?
w「おい待て、元貴は何処だ。なんでここにいる。」
極力警戒しながら問いかける。
何者なのかも分からないし何をするか分からない。
下手に刺激しない方が身のためなのは分かっているが元貴が心配でつい強めの声が出る。
s「…すみません、僕もさっき起きて頭が混乱していて…、起きたらここにいたので何故ここにいるのかと聞かれても分からないんです。」
男は不気味なぐらい完璧な困り笑顔で少し焦りながら言った。
悲哀が含まれたような笑いに何故か心が痛くなる。
元貴に似た顔でそんな表情をするなと口から出そうになるが飲み込む。
w「……それで信じられると思うか?」
正直に言うと目の前のコイツは元貴に似すぎている。
親戚かなにかか?と疑うが元貴からはそんな話を聞いたことがない。
どうしたものかと悩んでいると俺のスマホが鳴る。
こんな時に、と舌打ちをしそうになるのを我慢して名前を確認すると『もとき』と表示されている。
俺は即座に電話に出て、少し怒った口調で元貴に叫んだ。
w「元貴!?何処にいるの!?てか勝手に家に誰かを泊めるの禁止したよね!」
そんな俺の説教に被せてくるように元貴は泣きそうな声で叫んだ。
o『若井!!ここが何処か分かんない!!なんか、知らない家にいる!!』
w「ぇ、?何処にいるのか分からない……?」
o『わ、わかんない…、気づいたらベッドで寝てて、目の前に風磨くんに似た人がいるし…どうしよう、僕…、』
w「元貴、一旦落ち着いて、!俺も何が何だかわかんなくて…。元貴、昨日家に誰か呼んだ?」
o『ぇ、いや、ずっと独りだったけど…。』
w「そっ、か……。」
元貴にも心当たりがないらしい。
じゃあ、目の前のコイツは一体誰なんだ…?
s「…あの、すいません。その通話してる人と会話させてくれませんか?」
ふと口を開いたと思えばにっこりと貼り付けたような笑いで提案してくる。
w「何かわかったのか?」
s「…まぁ、大体は把握しました。僕の憶測の確認をしたくて。」
怪しいが今できることは限られている。
俺はおずおずとスマホを渡した。
szk side
スマホを渡される時にあの頃の記憶がノイズのように頭の中を駆け巡った。
『____やっぱり、自分で確認して。』
s「ぅ”ッ、ふッぅ……ッ、」
w「…大丈夫、か?」
s「ッ…、えぇ、お構いなく…。」
顔を顰めながらスマホを受け取る。
s「もしもし、変わりました。」
o『ぇ、あはい。ど、ちらさまでしょうか…?』
電話の向こうから聞こえてきたのは僕にそっくりな声。
僕の考えがあっているのならきっと顔も似ているのだろう。
s「初めまして。鈴木と申します。そちらにセンター分けの男の人いますか?」
o『あ、どうも…。大森元貴です。えと、居ますけど、変わりますか?』
s「いえ、大丈夫です。ただ、皆さんで話したいのでスピーカーにして頂けますか?。」
o『は、い……、分かりました。』
向こうがスピーカーにしたと同時にこちらもスピーカーにする。
電話の奥からは混乱している桐山さんの声が少し遠くから聞こえた。
s「大森さん、その人と会話は可能ですか?」
o『うーん…、かなり混乱してて難しいですね。』
s「分かりました。とりあえずその人の近くに寄ってください。」
o『わかりました…。』
向こうで桐山さんの声が少し大きくなる。
僕の目の前の男はまだ警戒しているのか睨みつけるように僕を見ている。
少しして大森さんが桐山さんに話しかける声が聞こえた。
僕はいつものように桐山さんに声をかける。
s「おはようございます、桐山さん。二日酔いは大丈夫ですか?」
k『…ッ!?す、鈴木ちゃん、!?今どこにいるの!?なんか、鈴木ちゃんに似てるような人がいま俺の家にいて…、俺が昨日の夜運んだのは鈴木ちゃんだよね!?』
s「昨日ぶりですねぇ。やっぱり僕寝てました?すみません、わざわざ運ばせちゃって。別に床とかに放置とかでもよかったのに。」
k『別に、大丈夫だよ。全然重くなかったし。あと、昨日の腰大丈夫?』
s「えぇ、大丈夫ですよ。桐山さんが優しくしてくれたので。」
k『よかったぁ…、あの後そのまま寝ちゃうからどうしようと思って…。』
昨日の警備室での話をする。
昨日はいつもの様に桐山さんとお酒を飲みながら配信を見ていた。
普段はお酒を断る桐山さんも何故か昨日はご機嫌で逆に僕にお酒を勧めてきた。
僕はあまりお酒が強くなく、やんわりと断っていると桐山さんが無理矢理に飲ませてこようとして室内のソファに2人で倒れ込んだ。
その拍子に僕の腰の発作が起き、桐山さんの助けをもらいながら薬を飲んだ。
しかし、僕はそのまま疲れて寝てしまった。
s「片付けも全部やってくれたんですね。ありがとうございます。今度なにか奢りますね。」
k『いや、いいよ。無理させたのは俺の方だし…。』
なにか視線を感じるなと思いながら男を見ると先程よりも不機嫌そうな顔をしていた。
w「…おい、俺たちにそんな話聞かすためにわざわざスピーカーにしたのか?」
o『今そういう話します…?』
目の前の男は顔を顰めながら、大森さんは電話の向こうで困惑した声で僕たちに聞いてきた。
はて、?と考えれば今までの僕たちの会話が少し”そういう意味と捉えられる”というのに気づく。
僕は同じ思い違いをしている2人が仲良しだなぁと面白くて少し笑ってしまった。
w「何がおかしい、。こっちは真剣だぞ。」
s「ぁ、いえ、違います違いますwいやぁ、お二人共想像力が豊かだなぁ、とw」
そう笑えば男の逆鱗に触れたのか眉を吊り上げて僕の胸ぐらを掴んで身体を壁に押付けた。
o『え、ちょっとッ、若井ッ!?』
k『鈴木ちゃんッッ!!』
ドンッと音が聞こえたのか電話の向こうで2人が叫ぶ。
そんな中でも僕を睨みつける若井さんの表情には僕への軽蔑が含まれている。
s「そんなに怒ることないじゃないですか。」
w「…呑気に笑ってんなよ、。」
更に壁に押し付けられる。
首が詰まってかなり苦しくなる。
身長差のせいなのか、体格のせいなのか分からないがビクともしない。
どうしたものか、と考えているとドタドタと足音が聞こえてきた。
f「大きな音したけど大丈夫!?……って、これ、ちょっとどういう状況ッ!?!?」
唐突に現れた他の男に引き剥がされる。
押さえつけられていた首を擦りながら部屋に入ってきた男を見るとまじまじとこちらを見ていた。
f「えっと、まずこの人はどちら様、、?」
w「涼ちゃん、コイツとは話さない方がいいよ。俺はもう無理。元貴、位置情報送って。迎えいくから。」
f「ちょっとまって、状況が飲み込めてない!!元貴は今どこいるの!?なんで若井はこんな怒ってんの!?それにこの人はどちら様!?」
o『涼ちゃん、!とりあえず落ちついて!!』
f「元貴!?今どこにいるのー!?あ、ちょっと、若井!!まって、説明して!家出ようとしないで!!」
s「これは…、少し面倒臭いな…。」
二日酔いでガンガンと響く頭を抑えてぼそりと呟いた。
コメント
7件
あー好き!!wkiがOmrににてるszkiに戸惑ってるが可愛すぎる…szkiの方が邪悪そうなのもめっちゃいい
えっ、好きです‼︎ 初コメ、フォロ失です🙌 続き楽しみにしてます‼︎
へへ、続きめっちゃ楽しみです!