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俺は自分の家に仕掛けた盗聴器で、ひっそりと様子を伺っていた。
正直こんなことはしたくない。
したくなかった、けど……
どうしても本当に信用して良いのか不安になってしまった。
hnの実兄として、良くないことは分かってる。
ちゃんと妹を信用して、守りきらないといけないのは分かってる。
けど、何故か何故か俺の勘が告げている。
見逃しちゃいけないって。
その勘を頼りに今は一生懸命精査するくらいしかできない。
その状況がもどかしい。
「はぁ………」
俺は重い溜め息と共に机に突伏する。
盗聴器から聞こえるのは、hnが見ているだろうバラエティー番組の賑やかな声と、
ときたまに、クスッと笑いを零すhnの声だけ。
本当に見逃しちゃいけないなにかなんだろうか。
俺が俺の心を不安にさせる。
どうして俺が、実妹を怪しまなきゃいけないのか、、深く思い知られる。
そう考えていると、ふととある発言が頭をよぎった。
「にぃは…どうして、人外を捕まえるの?」
俺がここ──遠征に来る前にhnが言った言葉だ。
あのときは、人間の平和のためとか言った記憶があるけど、
そもそも、どうして狩人をやってるのか分からない。
どうして妹を怪しんでるのかもわからない。
何をしたくて、何を願っているのか分からない。
…でも、俺は今やってることを正しいと思うことしかできない。
真っ直ぐ生きてこそ、人間──狩人だ。
人外は悪いことをしたやつ、捕まえるのは当然。
だから、今はありったけの悪を捌くべく動きしかないんだ。